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劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ 感想④ [感想・レビュー]

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TV版は見返すと次々に発見があって、まるでスルメのように楽しめたのですが、
劇場版は見返す度に?なポイントが見えてきてしまいます。

公開時に劇場で観終わった直後が、一番印象が良かったように思います。



デジャヴを別の世界線での記憶と位置づける考えは非常に面白いと思うし、
それを切り口に物語を進めようというのはシュタゲらしくて分かるのですが、
結局やっていることが「涼宮ハルヒの消失」に似通ってしまった印象。

世界改変によってただ一人世界から取り残されたキョンと、
岡部の記憶をただ一人も持ち続けている紅莉栖とは、実は状況としては差異はない。

大きく違うとすれば、紅莉栖は岡部に対しての恋愛感情をはっきりと自覚しており、
それ故に科学者としての理性と人間としての本能・感情との間で悩む点。

戻りたいのか、戻りたくないのかは、すでに結論は出ているんですよね。
そして、シュタインズゲート世界線において、岡部が存在すべきかどうかも、
その判断が紅莉栖に任されてしまっているわけです。

理性と本能で悩むのは紅莉栖の勝手なのですが、
結果としてタイムマシンを再び使い、岡部との約束を破っている。

岡部が結果オーライで納得したとしても、タイムマシンが存在した事実が
シュタインンズゲート世界線に追加されてしまうわけだから、
外から見ているこちらとしては納得いかない。



2005年での紅莉栖の行動が「事実を変えずに結果を変える」もので、
過去改変にあたらないとしても、
岡部のファーストキスに対しての伏線の回収としては
ずいぶん唐突で雑なやり方だなと。

この伏線を回収するなら、岡部と紅莉栖のキスシーンに
もっと意味を持たせねばならないと思うのです。

そもそもこの伏線は第25話なので、TV放送されていない。



岡部と紅莉栖の恋路を邪魔するつもりは全くないのですが、
紅莉栖が自分の気持ちに素直になればなるほど、
岡部の苦悩を軽んじているように思えてしまう。

いや、岡部だけではなく他の世界線で消えてしまった、
フェイリスやるか子の想い、それらも含まれているんですよね。

以前、紅莉栖とのシンクロ率が上がらないとも表現しましたが、
この感情移入しきれないのは何故なんだろう?とずっと考えていたのです。
別に紅莉栖のことが嫌いというわけでもないのに、何故なのか。

その答えが昨日やっと出ました。



制作サイドは大切な要素を忘れてしまったんだと。
この作品には、岡部と同等のリーディングシュタイナーの能力を持っている人物が
もう一人最初から存在しているんですよ。

その人物が本当の意味での観測者なんです。
それは、そう、____我々、視聴者です。
ゲームでいうならば、岡部の分身であるプレイヤーですよね。

ところが岡部がR世界線に移動したことで、
我々はシュタインズゲート世界線において、
唯一の観測者になってしまった。

そして岡部も知りえない、紅莉栖の苦悩まで知ってしまう我々は、
ある意味岡部を超えた存在になってしまうわけです。

この作用を製作者サイドはすっかり忘れ、
キャラクターに芝居させることに夢中になってしまった。

メインストーリーを岡部不在で描くわけですから、
異なる世界線を描くサイドストーリーと同じ手法は通用しません。

既存のキャラクターの意志を尊重しすぎてしまった、
ここに過ちがあったのではないかと思います。



まぁ、岡部が最終的にそれでいいならいいんですけどね、私は。
視聴者は観測しかできず、干渉はできませんからね。

キャラクターのその後を描くという意味では非常に楽しめる作品なのですが、
一人歩きしたキャラクターに振り回されてしまった、そんな印象の作品です。

でもキャラクター任せにできる作品世界というのは貴重だとも思います。
だから憎めないんですよ、シュタゲの劇場版って。




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