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「中二病でも恋がしたい」原作小説の感想と評価 [感想・レビュー]

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「中二病でも恋がしたい」原作小説・第1巻の感想です。



アニメの「中二病でも恋がしたい」1期と劇場版の感想のときにも書きましたが、やっぱり原作小説が気になって仕方がありません。

1期の再編集版だった劇場版が、自分的には全く納得がいかず、アニメよりもレギュラーの登場人物の少ない原作小説はどんな風になっていたのかが、逆に気になってしまったのです。


原作小説は機会があれば購入しようとは思っていたのですが、二期が放送されている最中でも地元の本屋さんでは原作小説を見かけることもなく、そうなると当然中古書店でも見かけず、結局お目に掛からず仕舞い。

もしかしてアニメの人気に対して原作は不人気なんだろうか? それとも京アニ出版の営業力の問題?

劇場版の感想を書いたときに調べたら、アマゾンに中古が出品されていたのでポチリ。一応1巻と2巻を買ったのですが、まずは1巻を床に就く前に1話ずつ読んでいきました。




まずはアニメ版の1期の感想の総括なんですが、私は「中二病でも恋がしたい」の1期を、「一人の少女が父親の死と向き合う物語」だと思っているのです。

その過程で現実から逃げるように中二病になるものの、そのおかげで友人ができ、恋人ができ、そして父の死という現実にも向き合い前進することができた。そんな青春物語だと思っているわけです。

一旦、中二病から卒業したかと思われた六花は、物語の最後には再び中二病キャラに戻ってしまうわけですが、彼女がもう少し成長するには、まだ中二病の力を少し借りていてもいいのかな? ってことなんだろうな。

そんな感想でした。


個人的には物凄くまとまった話だと思っていて、中二病という「エキセントリックな要素」と、思春期の問題となりそうな周りの人との距離の取り方の問題とか、家族愛とか恋愛とかはたまた勉強とか、学園ドラマだからできる様々な「普遍的青春要素」を見事に融合させていると高く評価しています。

ただ、あまりに上手くもまとまりすぎていて、これを続ける意味はあるのかと心配になってしまったのです。



これは数年前に「涼宮ハルヒの憂鬱」の1期の本放送の際、第1巻にあたる「憂鬱」で、ハルヒの話は終わっていると思えたのに非常に似ています。

その後、原作小説の「涼宮ハルヒの憂鬱」を人生初めてのラノベとして読んだのですが、テンポもよく、非常に良く練られたシナリオで、しかも綺麗に終わっていて、ラノベもバカにできないなぁと感心したものです。


しかし同時に、これを続けて展開させていかなければならない原作者は、本当に気の毒だなぁ、と同情したものです。

案の定、原作者の筆は止まり、「分裂」~「驚愕」までに数年、「驚愕」が発売されてからも2年以上が経過しちゃっています。


いや、書けないって。

売れたから稼ぐ必要がないとかじゃなくて、1巻で完結している物語を大人の都合で伸ばせといわれても無理があるよね。「消失」まで持っていっただけでも凄いと思いますよ。




つまり私の期待値としては、アニメ原作になるラノベの個人的基準値である「涼宮ハルヒの憂鬱」に肉薄するくらいの出来を原作小説に求めてしまったのです。

ごめんなさい___、私が間違っていました。



読み始める前に、予備知識としてあったのは、五月七日くみん(つゆりくみん)、凸守早苗(でこもりさなえ)、小鳥遊十花(たかなしとおか)及びや祖父母など重要人物が登場せず、当然ながら丹生谷・極東魔術結社は六花たちによって結成されない、ということ。

原作で妄想世界でのバトルはないだろうとは思っていたのですが、くみん先輩はともかく、凸守がいないと丹生谷は何のために存在しているのかがさっぱりわからない。

アニメでは六花の恋心を丹生谷がさらりと指摘し、半分以上余計な好奇心とはいえ、恋の相談にのっているのですが、その二人の距離感も同好会があってのこと。

くみん先輩と凸守は、六花の数少ない友人としても大切な立ち位置だから、同好会・極東魔術結社が存在しないと六花を多角的に描きづらいんじゃないかなぁと心配していたのです。

ところがドッコイ、問題はアニメ版オリジナルキャラがいるとかいないとかの問題ではありませんでした。



え? 六花のお父さん、死んでないの???



まさか原作では六花の父親が病死していない(ハッキリと描かれていない)という衝撃の事実! 驚いたというか、意味がわからない。

それなのに六花は両親と離れ離れに暮らしているの? 

それじゃ、単に親にも見捨てられた重度の中二病患者が恋をしました___で終っちゃうじゃ~ん!




第1回京都アニメーション大賞奨励賞受賞作で「着眼点とアイデアが面白く文章のセンスもある」と評価された__ということらしいが、確かに着眼点とアイデアは面白いと思う。


SFやファンタジーに持っていかず、あくまでも現実的な物語として「中二病」をテーマを俯瞰で描くというのは着想として素晴らしい。

派手な要素がなく、漫画的な事件が起きそうにない状況から一本のお話を作り、それを読ませてしまうのだから、そういう意味では文章のセンスもあるのだろう。


ただ、もしこの小説をアニメ原作としてでなく読んだとしたら、何も響かなかったと思う。最後まで読めていたのかも全く自信がない。

感想としてあるのは、「ラノベという先入観で読んだとしたら、着眼点とアイデアは面白い」だけですね。




しかし、この原作がよくアニメ版のアレになったものだと、そちらに感心してしまう。

この原作は大雑把なプロットだよね。ドラマとして、学園モノとして、ラブコメとして足りない要素を足していったらアニメ版になるもの。


大賞作品らしいけど、アニメ原作というかプロットを集めるためのコンテストなのかな?

他の出版社のラノベ大賞も、そういう金山とか油田の発掘みたいな側面が強いのでしょうけど、読み物としてはどうかな?





個人的結論としては、アニメ版「中二病でも恋がしたい」が完成形(ただし劇場版は除く)ってことで納得。

こうなると、途中で挫折してしまった、アニメ2期がどうなっていたのか気になるなぁ。


(後日談 : 結果、挫折したことをお伝えしておく・・・)


 


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