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PSYCHO-PASS サイコパス2 第11話(終) 文字起こし [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS サイコパス2 第11話(終)「WHAT COLOR?」の文字起こしです。
今回もかなり難しい内容だったので、台詞の確認をしながら起こしました。


●アバン
【地下鉄構内・通路】
(東金)貴様は存在してはならない!
(朱) 駄目!
(鹿矛囲)散れ漆黒。
(ドミネーター)「犯罪係数31執行対象ではありません」「トリガーをロックします」
(東金)あっ…くっ!
(東金)ああ…!
(東金)ぐあっ!
    やつのせいでお前の祖母は死んだ…。
なぜ守る!?
(朱) 鹿矛囲はおそらく殺害に関与していない。
(東金)正気か?その男が誘拐させたんだぞ。
(朱) 確かに彼なら私の家族の情報を得られた。
でもそれは公安局の人間も同じ。
(東金)犯罪者ではなく同僚を疑うのか?
お前はサイコパスが濁ることを恐れやつへの感情から目をそらしているだけだ。
憎しみも殺意も消せはしないぞ。
(朱) 私は守らなければいけない大切な命を守れなかった。
だけど法を守ることを絶対に諦めちゃいけないんです。
行きましょう。
(東金)待て!常守朱!
    ふざけるな…。
お前たちに母さんを汚させるものか!!

●Aパート
【地下鉄構内】
(大浦) うっ!
(柴崎) くっ…持ちこたえろ!
(宜野座)そこまでだ酒々井!
(酒々井)あっ!
(酒々井)うっ…!い…。
うっ…私まだやれるわ…鹿矛囲!
(宜野座)神経刺激薬か!?そうまでして…くっ!
(酒々井)うっ!
(酒々井)ハァ…あと少しで…鹿矛囲が世界を…変えて…くれる!

【シビュラに向かう地下通路】
(鹿矛囲)なぜ案内する気になった?
(朱)  あなたを正しく裁くためよ。
(鹿矛囲)法の外で処分することもできた。
(朱)  そんな選択肢は存在しない。
(鹿矛囲)その断定が…。
(向島) あなたをクリアに保っているのが分かりますよ。
(大津) 君はシビュラに何を期待しているの?
(染水槇)シビュラに終わりをもたらすこと?
(向島) 人間性を犠牲にしたこの理想社会で正しい裁きとは何でしょう?
(荻野) 俺はあれが裁かれるのが見たい!
(朱)  別の可能性もある。
     あなたも…いえあなたたちも気付いているんでしょう?
     望んだ答えが得られるとは限らない。
     それでも進むの?
(鹿矛囲)僕たちが死んだ理由…。
     死んだまま生きる意味を探してここにたどりついた。
(鹿矛囲・向島)  大勢の願いを託されて…。
(鹿矛囲・大津)  みんな癒やしという暴力に苦しんでる。
          救わなきゃいけないんだ!
(鹿矛囲・染水槇) シビュラに報いを。
          それ以外に救いはない。
          人の怒りが社会をクリアにするのよ。
(鹿矛囲・荻野)  これはゲームなのさ!俺たちとシビュラの!
(朱)  違うやり方もあったはず。
     社会を恨む人たちの思いばかり背負わずに。
(鹿矛囲)そんな選択肢は存在しない。
     もっと早く君と話せていたとしても。

【シビュラの手前】
(禾生) 私の実験動物がこんな騒ぎを起こすとはね。
(鹿矛囲)東金美沙子…。
(朱)  まだ答えは出ていない。
     そうでしょ?
(禾生) 常守朱。
     あなたの監視官権限はたった今剥奪されたわ。
     ここを出て野垂れ死ぬといい。
(朱)  それがシビュラの答えか、
     あの扉の向こう側で聞くわ。
     鹿矛囲?
(鹿矛囲)僕たちという存在をかけて聞こう。
     シビュラよ…。
     僕たちの色が見えるか?

【地下鉄構内・通路】
(東金)ぐっ…!ハァハァハァ…。
(東金)《母さんさえいれば他に何もいらなかった》《なのに…》
(美沙子)《お別れよ朔夜》
(朔夜)《えっ?》
(美沙子)《母さんはこの社会をつかさどるものと一つになるの》
(美沙子)《これはとても素晴らしいことなのよ》
     《あなたもいずれ同じ場所に導かれるわ》
     《お別れよ》
(美沙子)《朔夜?》
(美沙子)《あっ…》
(朔夜) 《母さんは僕だけのものだ…》
(朔夜) 《うわぁぁーっ!!》
(朔夜) 《うわぁぁーっ!!》
(東金) 《そして俺は黒く染まった》
(禾生) 《潜在犯や執行官のみならず担当監視官のサイコパスまで意図的に悪化させ執行する》
     《なぜそんなまねを?》
(東金) 《それが俺の存在理由だからです》
     《黒いものはより黒く、清いものすら黒く黒く染める》

     《そうすることで母さんは美しく輝き続ける》
     《全てはあなたへの愛ゆえ》
(東金)母さん…。
     うっ…ぐ…うう…!う…う…フッ…。

【シビュラの手前】
(ドミネーター)「執行対象ではありません」「トリガーをロックします」無駄よ。
(鹿矛囲)シビュラシステムよ。
      裁きの神を気取るなら選べる道は一つだ。
      お前たちがお前たちでいるために乗り越えねばならない存在が目の前にいるぞ!
      裁けるか?僕たちを。
      問えるか!?僕とお前の色を!
(ドミネーター)「犯罪係数オーバー300」「執行モードリーサル・エリミネーター」
(禾生) 何!?
(鹿矛囲)これがお前の色か?東金美沙子。
(銃声)
(禾生) うっ…!認めない!こんな…変化を!!


【シビュラ・システム内部】
(鹿矛囲)裁きの時だ。

(ドミネーター)「犯罪係数オーバー300」
        「執行モードリーサル・エリミネーター」
(鹿矛囲) これがお前の色か。
      シビュラ。
(シビュラ)「ようこそ鹿矛囲桐斗」
      「協議により私たちはあなたたちを認識することを決断しました」
      「また常守朱の提案どおり集合的サイコパスを成立させます」
      「その上で私たちの犯罪係数を上昇させる要因を廃棄します」
(シビュラ)「今私たちは新たな認識と完全性を獲得しました」
      「これが私たちの進化の形です」
(ドミネーター)「対象の脅威判定が更新されました」
        「犯罪係数ゼロ」「執行対象ではありません」
        「トリガーをロックします」
(朱)  これが答えよ鹿矛囲桐斗。
     あなたを逮捕します。



●Bパート
【地下鉄構内】
(堂本)行け!
(銃声)
(美佳の通信機の呼び出し音)
(美佳)あっ…。
(酒々井)ハァハァ…。
(宜野座)投降しろ!もう終わりだ!
(酒々井)ハァ…うっ…。
(宜野座)くっ…もうよせ酒々井!
(酒々井)いいえ…まだよ…。
     私が鹿矛囲の道になる…。
     三係が丁寧に設置してくれた爆弾よ。
     あなたたちの方こそここで終わるの。
(宜野座)よせ!
(酒々井)ありがとう…鹿矛囲。
(宜野座)ん…?。
(須郷) 遅くなりました。
(宜野座)ハァ…まったくだ。
     今回は間に合ったな。
(須郷) はい。
(雛河)大丈夫生きてる。
(宜野座)お前の後輩を取り戻したぞ。青柳。


【シビュラに向かう地下通路】
(美佳)今は作戦行動中です。
(東金)黙って従え!監視官なら位置は分かるだろ!?すぐに来い!

【シビュラの手前】
(東金)母さん…。
(東金)ハァハァ…!うわぁぁーっ!!


【地下鉄構内】
(美佳)このままじゃいけない…。
    全てあいつが悪いんだ。
    あいつが…。

(美佳)局長の指示で別任務に向かいます。
    あなたたちは堂本監視官に従って!
(宜野座)別任務?おい!


【シビュラ・システム内部】
(ドミネーター)「犯罪係数400」「執行モードリーサル・エリミネーター」
(鹿矛囲) 僕は今何色かな?
(シビュラ)「常守監視官速やかな執行を推奨します」
(朱)  抵抗せずドミネーターを渡しなさい。
(鹿矛囲)感じるよ。
     あれの中にも自分の色を取り戻せて喜んでるものたちがいる。
(朱)  喜ぶ?
(鹿矛囲)君こそなぜシビュラにドミネーターを向けない?
     集合的であるならばドミネーターを向ける者もまたその一部になる。
     別の誰かが向ければあれは違う色になるかもしれない。
(朱)  あなたは…。
(鹿矛囲)シビュラはもう後戻りできない。
(鹿矛囲)いつか本当の裁き手が現れたとき
     あそこにいる脳が最後の一つになっても
     犯罪係数は下がらないままかもしれない。
(朱)  まさか最初からそのつもりで…。
(シビュラ)「執行を。常守監視官」
(鹿矛囲)もしかするとその裁き手は今僕の目の前にいる人かもしれない。
(朱)  やめて…。
     私はあなたじゃない。
     誰彼構わず人の願いを受け入れたりしない。
     せめて血を流さない道を選んでいれば!
(鹿矛囲たち)そんな選択肢は存在しないんだ。
(東金) そこから出ろ!冒涜者ども!
(朱)  あっ…やめなさい!
(東金) いい目だ。
     気付いているだろう? 常守葵を殺したのはこの俺だと。
(朱)  あぁ…。
(東金) ひからびた老人のくせにしぶとくってな。
     あーちゃんあーちゃんと呼び続けていたぞ。
     ヘッ…。
(鹿矛囲)別の可能性もある。
     君も気付いているだろう?
     君が願う法の精神。
     もしそれが社会という存在に等しく正義の天秤となるなら
     いつかその精神こそがあそこにいる怪物を本当の神様に変えるかもしれない。
     フッ…。
(東金) あり得ない…。
     お前などが母さんよりも清らかなものか!
(朱)  あっ!
(銃声×2)
(東金) ぐっ…なぜだ…。
     なぜ染まらない…!
(朱)  東金朔夜。
     反逆行為ならびに常守葵の殺害容疑であなたを逮捕します。
(東金) あっ…。
     ああ…ああっあーっ!!
(シビュラ)「常守朱監視官あなたの提案により私たちの中で議論され続けてきた問題が
       解決を迎えたのは喜ばしいことです」
      「ただし今の処理能力ではまだ社会全体の集合的サイコパスは成立し得ない」
      「その日のために今後も社会に貢献し健やかに生きることを推奨します」


【地下鉄構内・通路】
(足音)
(東金)来たか…。
(ドミネーター)「犯罪係数899」「執行モードリーサル・エリミネーター」
(美佳)何がシビュラの子よ…真っ黒。
(東金)母さん…。
    あなたも俺も結局シビュラの奴隷でしたね。
(美佳)あなたに従った自分が許せない。
    こうしなきゃ私がクリアじゃなくなるの。
(東金)ハハ…ハハハ…。
    この娘が新しい奴隷というわけですか。
    せいぜいシビュラを美しく保つためだけに生きて…。
(美佳)私を濁らせる人間なんて消えればいい!
    私ここから先へは進みません…。
    秘密は守ります。
    いえ、全部忘れます!何も知りません!
    私シビュラを信じます…。
    私この社会が大好きですから!



【地下鉄構内】
(堂本)  常守朱!命令違反により権限剥奪との通達を受けている。
      抵抗せず両手を頭の後ろに…。
(宜野座)よせ!やめろ!
(雛河)  け…権限戻ってる。
(堂本) えっ?
(朱)   私は今何色ですか?
(宜野座)奇麗なもんだ。

【移動中の朱の車内】
(美佳) 脱走した東金朔夜執行官を発見。
     執行前に死亡。
     報告は以上です。


【潜在犯収容施設】
(雑賀)さてと見送りご苦労さん。
(朱)  先生のサイコパスは回復傾向にあります。
    戻る必要は…。
(雑賀)回復の理由は分かってる。
     依存するのは性に合わないんでね。
(朱)  あっ…。
    また来ます!
(雑賀)楽しみにしてるよ。

【公安局・分析室】
(志恩)触れたらサイコパスが濁る男か…。
    いないとなるとちょっと惜しい気もするのよね。

【公安局・六合塚自室】
(六合塚)桒島の証言から常守監視官の親族の情報を流したのは東金朔夜と判明。
(六合塚)しかし彼がどこで情報を手に入れたか今となっては分からない。
(美佳) 残念です。
(六合塚)誰であれ許す気はないわ。
(美佳) 同感です。


【公安局・局長室】
(禾生)今回の件でシステムに多くの空席が生まれた。
(禾生)実は君を迎え入れてはという案が出ている。
    変革を望むなら内側から試みてはどうだ?
(朱) そこまで私に興味はないくせに。
    挑発?
(禾生)断るということかね?
(朱) 今はね。
    あなたたち自身が廃棄を選択するときが来たら一緒に地獄へ行ってあげる。
(禾生)集合的サイコパス。
    遠くない将来集団が基準となる社会が訪れる。
    個人としてクリアでも集団としてクリアではない可能性。
    その疑心暗鬼が混乱を招き、かつてない魔女狩り社会が訪れ、
    その結果裁きは大量虐殺へと変貌を遂げるかもしれない。
    その扉を開いたのは君だ。
(朱) 私はそこまで悲観しない。
    訪れるのは正しい法と秩序平和と自由かもしれない。
(禾生)君らしい楽観だ。
(朱) 楽観だろうと選ばなければ実現しない。
    社会が人の未来を選ぶんじゃないわ。
    人が社会の未来を選ぶの。
    私はそう信じてる。



●Cパート
【朱の自宅】
pp2_11-1.jpg
(ドアの閉まる音)
END


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PSYCHO-PASS サイコパス2 10話 感想・考察【主人公なのは分るのだけど】 [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS サイコパス2 第10話「魂の基準」の感想・考察です。


葵ばあちゃ~~~~~ん!!!!
全く胸糞悪い結果です。

朱ちゃんを煽るためだけなら、禾生局長(東金美紗子)からのその報告はブラフでも構わないのでしょうが、東金朔夜がそういった手加減をする人物だとは考え難いし、彼の犯罪係数の上昇からすると、それは事実だと考えざるを得ない。

pp2_10-2.jpg


朱ちゃんは「1」で友人・船原ゆきを目の前で槙島に殺害されたにもかかわらず、色相が濁ることはなかったとはいえ、おばあちゃん子であった彼女が祖母をああいった形で失うというのは、彼女の精神を揺さぶるのにはあまりにも的確で効果的な方法だけに、こちらの色相が濁りそうな胸糞悪さが残ります。

視聴者にそういった感情を与えることもシナリオ上の目的なのでしょうが、そういった朱ちゃんに対しての感情移入度合いが高まれば高まるほど、鹿矛囲の脅威みたいなものが感覚的に遠のいていっているような気がしてなりません。



我々はそれでも色相が濁らない・犯罪係数が上昇しないのが「常守朱」だと知っていますし、シビュラシステムの治める社会でその存在を認めながらも、人として正しい善悪の判断を彼女がどう取っていくのかが見たいわけです。

その立ち直りはエア狡噛という、彼女の良心というか正義の基準の存在によってなされるわけですが、それ自体もファンサービス的な要素ゆえに、「常守朱」という人物に対しての想いか募る一方です。

pp2_10-3.jpg


本来ならばストーリーの牽引役のはずの鹿矛囲の計画ですが、朱ちゃんが丁寧に解説してくれるまでもなく、すでに私ごときが推測できてしまっていたくらいですから、視聴者にとっては大した種明かしというわけでもないものの、それよりもそこで朱ちゃんがシビュラに「鹿矛囲の存在を認めろ」という要求をしてくるとは少し意外な展開でした。

というのも、こういう形にしてしまうと常守朱VSシビュラという構図が明確に出てしまい、鹿矛囲がまた蚊帳の外に追いやられてしまうんですよね。



鹿矛囲はおそらくシビュラがどういったシステムであるかを推測しているでしょうが、それと対話が可能かどうかといえば、不可能だと考えていると思うのです。だからこそシビュラの位置を特定し、直接ドミネーターを向けることで答えを導き出そうとしている。

しかし、自分が透明人間である以上、シビュラが自身のサイコパスを測定できないことはわかっているはず。

そしてその結果、自分だけが否定され処分されることになったとしても、その顛末を誰かに観ておいて欲しい、それは常守朱が適任だと考えているのだと思います。


確かに鹿矛囲の希望的な目的はシビュラに自己の存在を認めさせ、そして同じような集合体であるシビュラをシビュラ自身が裁くことですから、朱ちゃんの言っていることは鹿矛囲事件を最も穏便に終息させるためには良作と思えるものの、シビュラの反論どおりに集団的サイコパスの認定は危険が伴いますし、これこそが鹿矛囲の真の目的、要求なのでは?

だとすれば、この朱ちゃんの発した要求は、鹿矛囲がシビュラ=禾生局長(東金美紗子)に対して言わなければ意味がないのではないでしょうか?

朱ちゃんは、そこに乗っかるようにシビュラを追い込んでいけばいいだけのことで、そこまで鹿矛囲の出番を奪わなくてもいいのに。



感想・考察を書くのがいつもよりも遅かったのも、視聴時にこの点に関して妙な違和感、言い方を悪く言えば興醒めに近い感覚があり、それを言語化するのに時間が掛かってしまったからです。

確かに刑事モノで主人公が推理によって真実に辿り着くというのは、ドラマ内において醍醐味であるとおもうし、犯人がその動機や目的を直接語らない・語れないというのはよくあること。

しかし、ここまで朱ちゃん無双にしてしまうと、鹿矛囲が印象に残らな過ぎると思うのですがね?

「1」では狡噛と朱ちゃんがダブル主人公になっており、槙島が表に登場してからは、彼もまた主人公のようにドラマが展開していましたが、「2」では「主人公・常守朱」に捉われすぎている感じがしますね。



今回は何だか文句が多くなってしまいましたが、鹿矛囲が「散れ、漆黒!」という名言を残してくれたので、少しだけ救われたような気がします。

pp2_10-4.jpg



さて、次回はいよいよ最終回。

鹿矛囲によってシビュラが完全否定されてしまうということはないでしょうし、集団的サイコパスを完全に認定するという線も薄いでしょう。

また、朱ちゃんが鹿矛囲を処分してしまうというのは、ここまで明確に主人公として扱われてきた経緯を考えれば、それもないと思います。

ただ、鹿矛囲の死をきっかけに、朱ちゃんがシビュラの変革に何かしらの役割を果たすことにはなるとは思うので、それがどのように、どういった変革をもたらすのか、それを楽しみに待ちたいと思います。



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PSYCHO-PASS サイコパス2 10話 文字起こし [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS サイコパス2 第10話「魂の基準」

朱ちゃんの推論部分をじっくり見返したかったので、文字起こしをしました。


●アバン
【地下鉄管制室】
(アナウンス)電車が参ります。お下がりください。
(管制官)  走行中のA1971が急激に加速。
       コントロールできません。
(主任)   暴走?
(管制官)  このままでは数分で前を走る列車と衝突します。
(主任)   全ての運行列車を緊急待避。
       乗客の避難誘導を急げ。
(管制官)  各列車を待避区画へ誘導。
(主任)   よしポイントを戻せ。
(管制官)  信号受け付けません!
(主任)   なっ…!
(主任)   A1971が待避区画に!?

【地下鉄車内】
(鹿矛囲)   始めよう。
(アナウンス) 車両点検のためしばらく停車いたします。
        誠に申し訳ありませんがそのまま車内でお待ちください。
(ドミネーター)「デコンポーザー対象を完全排除します」

【公安局・分析室】
(志恩) 列車が待避中の地下エリアで排水施設が破壊された。
(六合塚)暴走させ全列車を誘導。
     隣接エリアの汚染水を利用し孤立させた。
(宜野座)シェルターのおかげで水没は免れているが…。
(志恩) 排水できない以上乗客の脱出は不可能よ。
(宜野座)自分たちごと閉じ込めた…。
     その狙いは何だ?

【公安局・局長室】
(禾生) 国交省を骨抜きにし過ぎたわね。
     鉄道の隣接エリアが浸水したままとは…。
     そう…。
     彼らが再び私たちに取って代わろうとしたときのために不祥事のネタを残していたわけね。
     おかげで乗客500人余りが鹿矛囲の人質になったようよ。
     目的?まさか。
     地獄の季節の再現だけで満足する程度ならとっくに処分できているわ。

【三係・移動中の車内】
(堂本)この人数…。
    三係だけじゃ処理できないぞ。

【公安局・刑事課1係】
(東金)どこへ行こうというのです?
(朱) 緊急事態です。
    即時状況の分析。作戦の立案を。
(東金)あなたはこの事件に関わることはできない。
    肉親が人質になった時点で。
(朱) それを判断するのは監視官である私です。
(東金)これは禾生局長のお考えです。
(朱) そこを…どいてください。

【公安局・廊下・自販機前】
(美佳)私は悪くない私は悪くない私は悪くない私は…。

【公安局・刑事課1係】
(東金)《そうだ。自分のせいで大切な存在が失われる苦しみを味わえ》
    《黒く染まれ常守朱》


●Aパート
【地下鉄車内】
(ドミネーター)「犯罪係数148執行対象です」
(銃声)
(ざわめき)
(悲鳴)
(銃声)
(男性)ぐわっ!
(鹿矛囲)300を超えそうな者からパラライザーで意識を奪え。
(銃声)

【一係・移動中の車内】【公安局・エレベーター内(朱)】
(六合塚)乗客へ無差別に発砲!?何てことを…。
(志恩) 頼んだわよ。
     朱ちゃんが局長命令で待機扱いなんだから。
(美佳) 《そう。私しかいないんだ》
     《私が一係のトップなんだ》
     《大丈夫。私はシビュラの意思に従っただけ》
     《サイコパスが濁るわけない》
(雛河) か…鹿矛囲ってドミネーター効かないのにど…どうやって…。
     だからって出動しないわけにはいかないでしょ。
(宜野座)せめて鹿矛囲の目的が分かればな。
(美佳) 鹿矛囲の目的は東金財団への報復です。
(美佳) 今回も何らかの形でつながっているはずです。
(朱)  確かに喜汰沢の事件も立てこもり施設も東金財団につながる。
     でもそれを報復だとする根拠は?
(美佳) これです。
     東金財団が鹿矛囲の手術を推進しました。
     財団の利益のため臨床実験に利用したんです。
(朱)  手術…脳の多体移植。
(美佳) その経緯から鹿矛囲は東金財団に恨みを抱いたと推測しました。


【地下鉄車内】
(柴崎)飛んでる飛んでる。
(柴崎)これだけ飛ばせば…。

【公安局・局長室】
(禾生) これは…。
     やはりそうきたわね。

(鹿矛囲)《ドミネーターが捉えた情報によって罪に応じた裁定が必ず下される》
     《これだけ絶え間なく一挙に動作すればデータは膨大となり
      通常の処理では追い付かなくなるはず》

     《そうなったとき使用されるのがネットワークに現れるバイパス経路》

(禾生) バックアップのデータ経路はセキュリティーが一段劣る。
     それを使わせるのが目的というわけね。

【地下鉄車内】
(柴崎) バイパスつかみました。
     これなら何とか。
(鹿矛囲)そのまま続けてくれ。

(禾生)ドミネーターを集めていたのはシビュラシステムの位置を探るため。
    そうなのね桐斗君。

【公安局・局長室】
(禾生)君には待機を命じたはずだが?
(朱) そんな悠長なことを言っている状況ではないはずよ。
(禾生)そうか。
    ならば別の任務を与えるとしよう。
(朱) 鹿矛囲桐斗の暗殺。
(禾生)そのとおりだ。
(朱) やはりそう…。
(禾生)何?
(朱) 今までに起こした事件の性質や地獄の季節という接点を考慮すれば
    鹿矛囲の目的が東金財団ではないことは明白。
    彼が問うているのは色。
    その相手はシビュラ。
    鹿矛囲の始末を急ぐのは今まさに彼がシビュラに触れようとしているから。
(禾生)相変わらず余計なことを考えるのが好きだな。
    君の推測どおりこのままいけばあと1時間もしないうちにやつは目的を果たすことだろう。
    むろんそんなことを許すつもりはない。
    現場に先行した三係には犯人が立てこもっている区画の頭上に爆弾を設置するよう指示してある。
(朱) 何を考えているの!?
    あそこには500人以上の人質がいるのよ!
(禾生)閉鎖空間で一方的に狩られる側となった人間が    サイコパスをクリアに保てる可能性は極めて低い。
    すでにほとんどが潜在犯だろう。
だからって見殺しにしていいわけがない。
こんなふざけた作戦!決定事項なのだよ。
(禾生)そして君の任務でもある。
    起爆の指揮を執れ。
    君の手で終わらせろ。
(朱) しらじらしい…。
    鹿矛囲を殺したいだけでしょう。
(禾生)社会とシビュラを守るためだ。
    鹿矛囲による秩序崩壊を止めねばはるかに多くの犠牲が出る。
    それと…今しがた残念な知らせを受けてね。
    君の祖母常守葵の遺体が倉庫街で発見された。
    拘束された状態で撲殺されたようだ。
    むごたらしい…犯行だよ。
(朱) ハァ…ハァ…。
(禾生)最後の引き金は君に委ねよう。
    我々の住むこの社会を守りたまえ。
    信頼しているよ、常守監視官。


(東金)《鹿矛囲を殺せ常守朱》
    《己の無力さを思い知れ》
    《自分を取り戻すための殺意を肯定しろ》
    《そうすれば必ず黒く染まる》


【公安局・刑事課1係】
(朱) ハァ…ハァ…。
    ハァハァハァ…!あああーっ!!ああ…ハァハァ…。
(狡噛)殺すのか?やつを。

pp2_10-1.jpg


●Bパート
【地下鉄事件現場・シェルター外】
(美佳) 爆破!?それに東金財団の関連施設は警戒の必要なしって…。
     そんな命令私聞いてません!
(堂本) こちらを最優先だ。
     一係は指示があるまで待機を。
(美佳) そんな…。
(宜野座)一刻を争う状況だというのにどうなってるんだ!?


【公安局・刑事課1係】
(朱) 分かりません…。
    でもそうすべきなのかも。
(狡噛)らしくないな。
    あんた言ったよな。
    「法が人を守るんじゃない人が法を守るんだ」って。
    それを信じてるからあんたは俺を止めようとしたんじゃないのか?
(朱) そうでした…あのときは。
(狡噛)まっ俺が言えた義理じゃないか。
(狡噛)シビュラに鹿矛囲は裁けない。
    でも鹿矛囲を止めなくちゃいけない。
    もう手段がないんです。
(狡噛)違うな。
    もう手段がないんじゃない。
    今は手段がないだけだ。
    可能性のピースはもう揃ってるはずだ。
    あんたがためらっているだけで。
(朱) 失敗は許されない。
    でも…。
(狡噛)賭けてみてもいいんじゃないか?負けるなよ。
(朱) フフ…。
    ありがとうございます。


【公安局・取調室】
(雑賀)お前…。
(朱) 桒島浩一。
    あなたに頼みがある。


【地下鉄車内(鹿矛囲)】【移動中の車両(朱)】
(朱)  鹿矛囲桐斗ね?私は公安局刑事課一係所属常守朱。
(鹿矛囲)あっ…。
     フッ。
     浩一はどうしてるかな?
(朱)  私の話を聞いて協力的になってくれたわ。
     シビュラは乗客ごとあなたを葬る気よ。
(鹿矛囲)その前に出口は見つかる。
(朱)  その場合全ての監視官および執行官があなたの前に立ちふさがるでしょうね。
(鹿矛囲)僕がそれを恐れるとでも?
(朱)  鹿矛囲桐斗…、
     人質を解放するなら私があなたの望みを叶える。
     地下のマップデータを送ったわ。
     目印の地点まで来なさい。
     そこで…。
(ノイズ)
(禾生) 何を考えている?
(朱)  全能者のパラドクス。
     鹿矛囲の目的はシビュラシステムを裁くこと。
     あなたたちはそれを受け入れるべきよ。
     それが鹿矛囲を裁くことにもつながる。

     あなたたちは免罪体質者という裁くことができない例外を取り込むことで
     完全な裁きを実現させてきた。
     しかし新たな例外が生まれた。

     個人ではなく集合体として形をなす鹿矛囲。
     彼を裁くには彼を成り立たせている概念をシビュラが認める他ない。
(禾生) 君は何を口にしているのか分かっていない。
     あれを裁くには集合体としてのサイコパスを計測する必要がある。
     だがそうなれば…。
(朱)  集合体であるシビュラも裁きの対象になる。
     それが彼の狙いだった。
     自ら社会の脅威となることで集合的サイコパスを認めざるを得ない状況をつくり
     あなたたちをパラドクスに追い込んだ上で裁く。
(禾生) ならば余計にやつをシビュラに近づけるわけにはいくまい。
(朱)  そして裁くことなく彼を処分するの?
     自らの完全性を否定して。
(禾生) 君は目先の目的にとらわれ事の重大さを理解してない。
     集合的サイコパスを認めた社会がどのようなものになるかを。
(朱)  個人個人がクリアでも集団として裁かれる可能性がある社会。
     そのリスクは理解しているわ。
     でも今まで目を背けていたその問題を直視することは
     あなたたちの進化にもつながるはず。

     逆にこの問題から目を背け鹿矛囲の処分という逃避を選ぶなら
     あなたたちに未来はない。
(禾生) 君のご託は聞き飽きた。
     独走する気なら君の監視官権限を剥奪する。
     君をこの社会から末梢することも考えねばな。
(朱)  あなた個人の見解はどうでもいいと言っているの東金美沙子!
     シビュラシステム、あなたたちがこの社会に存在を許されている理由は
     平等で完璧な裁きを行えるからよ。
     その完全性にほころびが生まれた今、
     あなたたちの存在価値そのものが揺らいでいるといっていい。
(禾生) 知ったふうな口を…。
(朱)  あなたたちがこの社会に必要であり続けるため何を選択するべきか
     全員でじっくり考えることね。


【地下鉄事件現場・シェルター外・三係】
(堂本)本当によろしいのですね?
(禾生)構わんやりたまえ。
(兵頭)了解。
    會川の敵だ!死ね!

(兵頭)どういうことだ!?起爆しない。
    ぐっ!
(酒々井)公安に爆薬なんて配備されない以上使うとなれば
     事件を通じて手に入れた物を流用するしかない。

     この数カ月で爆弾が絡んだ事件は一つだけ。
     喜汰沢の爆弾はこちらで優先的にコントロールできるようにしてあるの。

     ねっすてきでしょ?こんなふうに何もかも見通せるからこそ
     鹿矛囲はみんなをクリアにしてあげられるのよ。
     あとは公安をここに縛り付けておくだけ。

     うっ…!ハァハァ…。
     もう少しで鹿矛囲が世界をクリアにしてくれる!


(志恩)水位が下がった!別の排水施設を利用したんだわ。

【地下鉄構内・通路】
(六合塚)人質が解放された!?
(宜野座)分かった。
     直ちに犯人グループの確保に向かう。
     霜月監視官!
(美佳) そんな…違う…。
     私のせいじゃない…こんなの…。
(宜野座)監視官!何をしている!
(雛河)あ…あれ?
(六合塚)どうしたの?
(雛河)と…東金執行官は?
(美佳)あっ!

(東金)監視官。
    禾生局長からあなたがここに来ることを聞きました。
    俺も同行させてください。
(朱) なぜ?
(東金)もう気付いているはずです。
    東金美沙子と鹿矛囲の関係を。
    俺の母があの怪物を生み出した。
    その責任は息子の俺が負わねばならない。
    たとえこの手を血で汚すことになっても…。
(朱) 殺すつもりですか?鹿矛囲を。
(東金)狡噛執行官ならそうしたはずだ。
    行きましょう。監視官。
(朱) フフ…。
(東金)ん?

(朱) お芝居はもうやめませんか?東金さん。
    あなたの母親が鹿矛囲に行った脳の多体移植。
    私はそれによく似たシステムを知っている。
    もちろん彼女も知っていたことになる。
    でもこの社会でそれは許されないこと。
    免罪体質者を除いて。
    東金美沙子が免罪体質者ならシステムに組み込まれているはず。
    そして今回の件で責任者として活動を強いられている可能性が高い。
    つまり今禾生局長の皮をかぶっているのは東金美沙子。
(東金)監視官。
    俺には何の話かさっぱり…。
(朱) あなたの経歴データを見せてもらいました。
    隠匿していた本当のデータを。
    きっかけは霜月監視官の報告書です。
    あなたの経歴と矛盾する内容が多々あった。
    それでファイルを調べ直したんです。
(東金)なるほど。
(朱) 監視官をことごとく潜在犯に陥れてきたその経歴。
    正直信じたくなかった。
    もしくは意図してやっているわけではないと思いたかった。
(東金)雑賀先生のように?
(朱) でもあなたは違った。
    今までのあなたの言動を振り返ればだんだんと分かってくる。
    あなたがどうしたかったのか。
    私を黒く染めたかった。
    そうですね?

(鹿矛囲)彼女は君程度には染められないよ。
(朱)  鹿矛囲桐斗…。
(東金) 好都合だ。
     貴様の存在が母さんをおとしめる。
     だから…。
(ドミネーター)「犯罪係数769リーサル・エリミネーター」
(東金) 貴様は存在してはならない!
(朱)  駄目!
(鹿矛囲)散れ漆黒。
(銃声)


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PSYCHO-PASS サイコパス2 第9話 感想・考察 [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS サイコパス2 第9話 「全能者のパラドクス」の感想と考察です。


この感想を書く前に7~9話の台詞の文字お越しをしていました。

鹿矛囲の過去やその目的と東金の出生など、今までクローズになっていた設定が、かなり説明的に会話に出てくるのですが、それだけでなく画面に映るファイルなどを加えると、その情報量があまりにも膨大なため、それらを整理する必要性が自分の中に生じたんですね。

サイコパスは群像劇なので、舞台設定が理解できていないとドラマに集中できないのですが、「2」で公式年表の隙間を縫うような設定が多く登場してしまったことで、時系列的に「?」と一瞬なってしまうことが観ていてあったので、それを整理してみようと。


残念ながら公式サイトの年表には「2」で登場した新設定は現在は反映されておらず、東金美沙子がシビュラシステム構築にどう貢献したのかとか、経済省発案の「パノプティコン」の存在や地獄の季節と呼ばれる交通分トラブルの多発などは盛り込まれていません。

ネタバレ要素もあるので、細かいことを公式年表で説明できない事情もわかるのですが、放送終了した過去の出来事は反映させていただきたいところです。

まぁ、手間が異常に掛かるのでしないだけなんでしょうけど。



そこで自分なりに整理してみました。
JPEGだとファイル容量に制限のおかげで字が潰れてしまうので、PDFファイルにしました。


http://fast-uploader.com/file/6973516440627/
パスワードが必要ですので、ppnenpyouと入力してください。


公式では時系列降順で書かれているのですが、それだと個人的に閲覧しにくかったので、ここでは昇順にしています。日付まで解らない部分はXXで表現しています。
(観洩らしている可能性もあり)

公式年表に加筆する形をとっていますので、狡噛の経歴が一部記載されていなかったり、標本事件のことには一切触れられていません。あしからず。

いずれはそれらも踏まえたものにしたいですね。





さて、この年表を考慮したうえでの9話の感想・考察です。


まず気がかりだった霜月美佳。

シビュラの真実を知った美佳ですが、思っていたよりも取り乱しませんでしたね。
さすがは理想的な市民のモデルケース。

pp2_09-1.jpg

とはいえ、単に長いものに巻かれてしまっている感は否めず、今後彼女がどう変わっていくのかは、劇場版への登場が確定しているだけに見物ではあります。

出来れば、東金退場のお膳立てを美佳が作ってくれると、下がる一方だった彼女の株も急騰するのですがね。

9話Cパートで東金が朱ちゃんのおばあちゃんを手にかけそうな感じになっていましたが、あの殴った効果音は、実は美佳が東金を殴った音だったりしないかなぁ?




そして、その東金朔夜。

エサとして用意されていた「AA」ファイルの内容から推察するに、人工的に作られた免罪体質者である可能性もあったのですが、どうやらこれは事実らしい。

とはいえ、当初の免罪体質の反作用からか、10歳で潜在犯認定を受けてしまったということなのでしょうか?
それとも、この潜在犯認定そのものも、彼を有効的に利用するためのダミーなのかな?

何にしても、人工的に免罪体質者を作ろうとしていた事実はあるわけですね。



おそらく卵子の提供者は東金美紗子でしょうね。
シビュラの一員である彼女は、当然先天性免罪体質者であるはずですし、精子の提供者もシビュラの一員に組み込まれている人物なんでしょう。

先天性免罪体質者の遺伝情報の中から、それに共通する項目を洗い出し、それを人工的に発現させたのが人
工免罪体質者だと思うのですが、そもそも何故そういった人物を作り出す必要があったかが気がかりです。

このあたりは物語の前提となる世界観設定に関わる部分でもあるので、どうにも東金に意識が持っていかれちゃうんだよね、鹿矛囲には悪いけど。



折角、東金朔夜と美紗子によってシビュラシステムに関しての設定が加筆されたので、ここでシビュラシステムの成り立ちついての考察を。



人工免罪体質者の必要性は?

簡単に考えれば、シビュラシステムを進化させるために、より多くの免罪体質者が必要であり、自然偶発的に発現する先天性免罪体質者の確保が困難であったからでしょうね。

年表にあるように、シビュラによる潜在犯認定が行われるのは2091年以降ですから、これ以前はシビュラが法の裁きを担っていないため、2114年現在よりも先天性免罪体質者発見と確保も困難だったはずなのです。



シビュラ登場当初は、おそらく一般に公表されているとおりスーパーコンピュータによる演算をしていたのでしょうが、より広範囲での運用を実現させるためには、より高度な演算をするする能力と柔軟性が必要でしょうし、システムそのものが安定的に運用され、かつバージョンアップされていかなければなりません。

これを実現するために、人間の脳を並列に繋ぎ合せた生体コンピュータを作ろうと考えたと思うのですが、その際に脳の提供者として白羽の矢が立ったのが免罪体質者ですよね。

じゃあ、何で免罪体質者なのかということです。
この時点では「潜在犯認定制度がまだ無い」のにです。


もう少し時代を遡ってみましょう。


シビュラ出現以前からサイマティックスキャンはサイコパスによる「職業適正考査」で実用化されていました。日本の経済復興というお題目があるとはいえ、この「職業適正考査」にある程度の強制力を持たせようとすれば、職業選択の自由に抵触するので、いきなり一般向けに大々的に採用するためには、ある程度の実績がないと難しい。

その実績作りのために、例えば受刑者の更正プログラムにおいて、サイコパス診断による「職業適正考査」が行われていたとしたらどうでしょう?



この時の受刑者は旧時代の法によって裁かれた人々。

この試験運用の際に、後に免罪体質者と呼ばれる人格の実像と職業適性が全く符合しない、サイマティックスキャンでは色相が全く濁っていない人物が発見されていたはずです。

そういった人物の中には死刑囚や終身刑のものもいたでしょうから、サイマティックスキャンの精度向上のための格好のサンプルとして注目されたでしょうし、生体コンピュータ案が浮上した際には、脳の提供者としても最適だったはずです。

ついでにサイマティックスキャンが正確に出来ない人間が減るわけですから、確率的にスキャン精度は向上したことになります。
インチキ臭いですけど。

受刑者が検体となるというのは、現実社会においてもそんなに珍しいケースではなく、最期の社会貢献として生前同意している受刑者も多いと聞きますから、大手を振ってデータを蓄積できていたはずなのです。


また、こういった受刑者への試験運用により、犯罪係数という新たな測定値の開発も行われ、それが後の「潜在犯認定」の礎になったとも考えられます。

これによりサイマティックスキャンの制度は向上し、受刑者の更正プログラムでの運用で劇的な成果あげることになったはずです。
もしかしたら、再犯率の低下にも一役買ったのかもしれません。

その後、一般に向けても「職業適正考査」が行われ、その結果日本は経済的に安定するまでの復興を成し遂げます。



とはいえ、ある一定の割合でしか出現しない先天性免罪体質者はすぐに弾切れになってしまいます。
免罪体質者は犯罪を犯さない限りは一般人と何ら変化はないわけですから、一般人から発見すること自体も難しい。

今後の他分野での運用を考えると、目標とする人数分の脳の確保が短期間では不可能でしょう。

そこで、人工的に免罪体質者を作ろうとしたのではないか?
こんなストーリーが考えられますよね。


人工的免罪体質者を設定した場合、年表上のシビュラシステム構築の経緯からすると「潜在犯認定」のほうが後にきていることから、一瞬「コロンブスの卵」的な矛盾を感じてしまうのですが、上記のような経緯が存在していたと仮定すれば、こういった疑問は回避できます。




ただ、次の疑問が。


人工的免罪体質者を量産すれば、シビュラはどんどん進化をしていけるはず。
しかし、槙島確保にあれだけの情熱を傾けていたことを考えれば、先天性免罪体質者は相変わらず必要とされており、逆説的に人工的に免罪体質者には何らかの欠陥があったと考えるのが自然です。

その欠陥の一例が、東金朔夜の過去最高値の犯罪係数だったという事なのでしょうか?

それならば、東金朔夜は欠陥品として処分されていてもおかしくないのですが、そうしなかった理由、つまり、もう1つの存在意義があるはず。

それがシビュラの秘密に触れようとするものを排除するという、虫除けの役割なのでしょう。

しかし、彼が再び過去と同様の犯罪係数をマークすれば、「潜在犯制度」が施行されている今度は、その正当性を維持しようとするシビュラによって裁かれてしまう。

そうならない術を彼が持っているのかは定かではないものの、もしオーバーすれば、たとえ母親であってもシビュラの正当性を保持するために彼を執行するでしょうね。

そのあたりが、打倒・東金のポイントになると思うのです。



「2」は何だか、誰が物語を牽引しているのかが定まらない感じですよね。

東金朔夜のミステリアスな魅力と、朱ちゃんとの物理的距離の近さが与える恐怖感が視聴者を引き付けてしまい、いまひとつ鹿矛囲桐人があの世界をひっくり返しそうな大物に見えてこないのはどう解消したらいいんでしょう?

槙島ほどの「ヤバさ」を感じないんだよなぁ。


シビュラもその様子から鹿矛囲をそれほどの脅威とは思っていないようで、それよりも鹿矛囲を利用して観察対象・常守朱を揺さぶってやろうと、そちらの方に一生懸命。

現在、禾生局長の中に常駐している東金の母・美紗子は、鹿矛囲の手術にも技術提供していたくらいですから、鹿矛囲が抱えている透明人間問題もとっくに知っていたでしょうし、それのシビュラとしての対処方法も早くから結論付けていました。

問題は、自ら行動できないシビュラがどうやって鹿矛囲を殺処分するかということなのですが、これは実に単純で、鹿矛囲を殺めた人間の犯罪係数が上がらなければ何の問題もない。

東金朔夜は朱ちゃんを黒く染めたがっていますが、シビュラ側から言えば、朱ちゃんが自らの判断で鹿矛囲を殺処分し、色相をキープしてくれた方が良いに決まっています。

これならばシビュラはパラドックスを抱えずに済みますからね。


もちろん、そんな事は朱ちゃんも推測しているでしょうから、いくら東金の仕掛けた「朱のおばあちゃん」というエサにまんまと食らいついた、鹿矛囲陣営の桒島に煽られたとしても、寸前のところで私的制裁を拒否するでしょうね。

pp2_09-2.jpg


そうなると業を煮やした東金朔夜の行動が、シビュラの総意とは異なる結果を導く可能性もあるわけで、現在は潜在犯認定に止まっている東金朔夜は、ある一線を越えた瞬間シビュラを敵に回してしまうことも十分に考えられます。

このあたりも東金の最期に結びつくと思うのですが、そうなるとある程度予定調和的にオチが見えてしまっている鹿矛囲の小物加減がますます残念に思えてきてしまいます。

結局、鹿矛囲の事件そのものは、東金暗躍のお膳立てに過ぎない状況なんですよねぇ~。


とはいえ、鹿矛囲がどのような作戦でシビュラの喉元に銃を突きつけるのかは見物ですから、来週は素直に
それを楽しみたいですね。


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あれ? プレミア価格が落ち着いてる
悪徳業者が締め出されてるって噂は本当なのかな???
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「劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス」予告PV 感想・考察 [PSYCHO-PASS サイコパス]

2015年1月9日公開の「劇場版サイコパス」。


昨晩のノイタミナ発表会で劇場ポスターのビジュアルが解禁になりました。

サイコパスの公式サイトではトリミングされていましたが、全景はこちら。

pp_move_postar.jpg

う~ん、カッコイイ!
狡噛が画面に映るとと、ホント緊張感が高まりますね。


そして、YouTubeにも公開されている予告編がこちら。




物語の内容の情報が全く解禁されていなかったのですが、PVとノイタミナ発表会での説明を推測[( )内]を含めて簡単にまとめると、



物語の舞台は2116年。

東南アジアのシーアンという国(中国の西安との関連は不明)には、シビュラシステムが輸出されシャンバラフロ
ートという管理特区で運用されている。
(シャンバラフロートの管理をしている政府軍の長がニコラス・ウォン?)

pp_move_PV03.jpg

日本に密入国してきた外国人テログループの脳内記憶に狡噛の姿が確認される。
(密入国者はシーアン国籍? 取調べにはメモリースクープが使用された?)

常守朱は国外捜査を申請。単独でシーアン・シャンバラフロートに視察に出かける。

(当然ながら目的は狡噛の捜索。 ところがシーアンにて内戦に巻き込まれる。)


(常守朱の緊急事態に公安メンバーが出動? 現地でドンパチ)

pp_move_PV05.jpg
(↑新キャラ?、CVが東地宏樹さん? ってことは須郷なのか?)


果たして、狡噛の行方は、そしてその目的とは?




どうやら劇場版らしい娯楽性の高いスケールの大きな、アクションを重視した作品になっているようです。



さて、現在「2」が放送中なので、そちらとの絡みも気になるところ。

「2」の本編では絶体絶命のピンチを迎えている霜月美佳ですが、ちゃっかり劇場版の予告にも登場。

pp_move_PV01.jpg

どうやら彼女は「世界の秘密」を知ってもその精神を汚されることはないようです。

もちろん執行官落ちという可能性も否定は出来ないのですが、この落ち着いた表情を見る限りでは、「2」と違っ
て常守朱に対しての反感は、この時期にはなくなっているように感じられます。



また、雑賀先生も引き続き登場。

pp_move_PV02.jpg

狡噛の行動を推理するには、やはり彼の助けも必要でしょうし、できれは狡噛との再会を果たして欲しいという気持ちもありますからね。

劇場版でも良い所で見事なプロファイリングをしてくれることでしょう。



当然、「1」の生き残りメンバーである宜野座、六合塚も健在。

pp_move_PV04.jpg

しかし、ギノの髪が伸びてるな? なんだそのチャラい感じは?
宜野座と狡噛の再会もあるといいなぁ。





多分この劇場版の結末の後でも、それでも日本のシビュラシステムは平常運転していくのだと思うし、狡噛は当然日本には戻れない。

そうなると見所は狡噛と、朱ちゃんをはじめとする公安メンバーとの別れだよね。

それでも正義を信じ、社会のために働きかけようとする「刑事魂」みたいなものを互いが確認しあうというのが、
ストーリー上ではオチになるんだろうな。

ベタだけど、劇場版だけで成立させるためには、そういったわかり易さも必要だしね。
テーマは深く、お話は単純に。 そんな感じかな?

pp_move_PV06.jpg

こりゃぁ、正月休みがモヤモヤして休めないんじゃないの?


ところで、今度は櫻井孝宏は誰役なんだろう???
回想内の槙島というのが有力候補なんだけど。



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朝鮮はシビュラシステムみたいな完了システムを独自に作ろうとしていたよね
技術を盗もうとグソンみたいなスパイを送り込んでたし。

劇場版の密入国者もそういったスパイなのかな?



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PSYCHO-PASS サイコパス2 8話 感想・考察【霜月美佳終了へのカウントダウン開始】 [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS サイコパス2  第8話 「巫女の懐胎<AA>」の感想です。


鹿矛囲の目的とその動機となる飛行機事故の背景が枡嵜医師によって語られ、また一方で東金の背後にある東金財団を単独で追っていた霜月美佳がまんまとエサに喰いついてしまいました。

鹿矛囲の事件と東金がどう繋がるのかという疑問もこれで糸口が説明され、後は東金朔夜を使ってシビュラが何をしようとしているのかという、朱ちゃんを中心に置いた物語の終焉に結びつけるのかが見物です。

霜月美佳は次週で精神崩壊してしまうでしょうし、黒幕の手駒である東金朔夜も朱ちゃんと対峙する中でお亡くなりになるでしょうね。その朱ちゃんを守ろうとして雛河も盾となって死亡すると思われます。

身も蓋もない言い方ですが、劇場版が先んじて進行している状況での「2」の製作決定でしたから、美佳はともかく、「2」のキャラクターは最終話までに一掃されてしまうはずです。


・・・・・・などと思っていたら、劇場版の予告に美佳の姿が! どうやらこのピンチを切り抜けるようですね。


ただ東金が雑賀先生を厄介者認定しているのが気になるところではあります。

pp2_08-1.jpg

雑賀先生も劇場版に登場するようなので、命まで取られることはないにしても、確かに敵には回したくない人物ではあるもんなぁ。

朱ちゃん、雑賀先生を守ってあげてね。





さて、今回個人的に面白いと思ったポイントは、鹿矛囲という特異体質を生み出すきっかけとなった飛行機事故と彼に施された手術の特許技術を編み出した東金の母・東金美沙子についての設定ですね。

鹿矛囲が脳までも飛行機事故被害者184人分を繋ぎ合せた、フランケンシュタインのごとき肉体を持つというのも驚きなのですが、これは前回までの話である程度予測できた範疇。

それよりも飛行機事故がどうして起きたのかのほうが彼の動機としては強いのではないかと思っていました。サイマティックスキャンに認知されないという孤立感だけが動機というのでは、革命家として視野が狭すぎますからね。

飛行機事故は、おそらく人為的な、それも個人ではなく社会システム的な問題で起きたのだろうと想像出来ましたが、これは設定的な領分に入ってしまうため、物語の前提を考えることになり非常に難しい。

このあたりがサイコパスの世界の面白さではあり、難解なところです。


また、鹿矛囲に施された手術に使用された医療技術特許が東金と繋がることも前回まででわかってはいましたが、それがシビュラシステム構築と施行という、この物語の舞台装置そのものに絡んでくるとは「良く考えているな」とただただ歓心。

公式年表とにらめっこしながら、この世界の成り立ちやそこに起こるであろう政治家・官僚・財界の利権争いを細かに考察していった冲方さんの姿が眼に浮かびます。

加えて、それらが「1」で槙島がシビュラシステムへの皮肉に引用した「パノプティコン」と「【ガリバー旅行記】バ
ルニバービの医者」に準えているのが最高!


物語では飛行機事故の原因となる交通機関トラブルを引き起こした経済省発案の「パノプティコン」は、雑賀先生の説明どおり「ジェレミー・ベンサムが収容所の建築形態として構築した全事象展望監視システムの名称」なのですが、この「パノプティコン」の引用は、「1」で逃亡執行官となった狡噛が雑賀先生の自宅に立ち寄った際、槙島を分析する際に引用されます。

pp2_08-2.jpg

正確には槙島の引用ではなく、狡噛が想像する槙島が語った引用ですが、この後狡噛が槙島のバイオテロに気がつくことを考えれば、この引用は槙島自身の言葉と捉えてもいいでしょう。


そして鹿矛囲に施された手術に使用された東金美沙子の有する医療特許技術に「生きたまま脳を摘出する技術」と「摘出した脳をつなぎ合わせる技術」がありましたが、これはまさにシビュラシステム構築において不可欠な技術。

槙島はこの技術を知った時にガリバー旅行記の「バルニバービの医者」を引き合いに出して皮肉っています。

pp2_08-3.jpg

そして先述の雑賀先生宅を訪れた狡噛も槙島の分析の中で、「もしかするとガリバー旅行記あたりも引用するかもしれない」と語っていました。


こうした「1」で槙島が皮肉として引用した事柄が、「2」では具体的な事例となって物語に登場するというのは、かなりわかり易く優秀な仕掛けです。さすがです、冲方さん!!

今回はこの「1」と「2」の繋がりが見えただけでもう十分でした。
逆に槙島の魅力が増している気もするし。




さて、今回新事実として分ったことを設定の年表とすり合わせてみましょう。

その東金美沙子の有する医療特許技術についてですが、特許が公開された2091年というのはシビュラシステムが安定期に入る年であり、この後2100年に「犯罪係数による潜在犯認定制度」が施行されます。

シビュラシステムそのものが施行されたのは2081年ですが、元々シビュラシステムはサイコパス測定を使った国民の就業斡旋システムであり、それ以外にも応用する目的で「包括的生涯福祉支援システム」として施行されています。

施行された時点では「法の裁き」の権限を持っていなかったのですが、2100年の「犯罪係数による潜在犯認定制度」が施行されたことで、法の番人としての役割が追加されることになります。

このシビュラシステムの運用拡大に技術的に貢献したのが東金美沙子であり、彼女の医療特許無くしては「犯罪係数による潜在犯認定制度」は実用に至らなかった可能性は大きいでしょう。



そしてその対抗馬であった経済省発案の「パノプティコン」は、交通分野での試験運用中にトラブルが多発。この時期を「地獄の季節」と称し、このトラブルの中に鹿矛囲と児童184人の乗った飛行機の事故があった。

シビュラシステムと「パノプティコン」の競合の最中、鹿矛囲が言うような陰謀論があったのかは定かではないし、それが事実だった場合、そこに東金財団が自身に使われた医療特許技術以外の政治的分野で全く無関係ということもないのであろう。

飛行機事故被害者184人分の命を背負った鹿矛囲が、その後シビュラシステムが統治する世界から機械的にも対人的にも阻害されてしまったというのは、彼が社会を恨む動機としては何となくは理解できる。

ここで重要なのは被害者184人分の命を背負い、その184人にこだわる鹿矛囲の姿であり、彼を単なる復習鬼にして欲しくないと切に思う。



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只今熟読中。こちらの感想もそのうち書きます。


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PSYCHO-PASS サイコパス2 7話 感想・考察【やっとイロイロわかってきた!】 [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS サイコパス2 第7話「見つからない子供たち」の感想です。



鹿矛囲の経歴がわかり、いよいよ面白くなってきました。

15年前の飛行機事後はポイントとなってくるだろうとは予測していましたが、まさかその被害者であった子供達の成長復元ホロがあのように多く存在し、鹿矛囲の別の顔もしくは協力者として暗躍していたとは意外な展開。

pp2_07-1.jpg

そしてその飛行機事故の唯一の生存者である鹿矛囲自身が、どうして色相を失ってしまったのかも何となく予想が付きはじめました。





鹿矛囲の過去に何があったか? そして彼の動機なんなのか? これは次回の枡㟢葉平の聴取で明らかになるでしょうが、ここからは次週までのお楽しみとして推測してみました。





おそらく鹿矛囲には、事故で救出され治療も虚しくなくなってしまった事故被害者の何人かの臓器が提供されたのでしょう。その結果として生きながらえたものの、色相を失ってしまったといったところでしょうか?


雑賀先生の解説のように、臓器移植がその個人固有の色相を失わせる効果があるとするのならば、サイマティックスキャンを運用する都合上、あの世界では臓器移植に対して規制があると思われます。

臓器移植の規制があるとするならば、泉宮寺豊久のように脳と神経以外の全身をサイボーグ化する技術の必要性が生まれてくるというもので、ホント、冲方さんの設定の読解力には感心させられます。


鹿矛囲の臓器移植はその手術時の暫定的な処置だったのかもしれませんが、結果として彼がシビュラの管理できない人間になってしまったことで、鹿矛囲自身の処遇をシビュラが「不要人物」と判断したとするならば、その執刀医である枡㟢葉平をはじめとする鹿矛囲の治療に携わった人間および臓器移植に同意した事故被害者の関係者のシビュラに対する憤りがあったことも予想されます。

その憤りそのものも、シビュラへの疑念となってしまうため、シビュラはその関係者も潜在犯認定、もしくは執行
対象にしたのかもしれません。


シビュラの脅威から逃れるためにはメンタルケアで色相をクリアに保つ必要性もあり、それが鹿矛囲のチート的なメンタルケア能力を生み出すことにも繋がります。

色相がクリアでありさえすれば、シビュラの目を掻い潜ることができるわけですから、そういったチーターを社会
から排除しようとするシビュラの行動も当然でしょう。

また、このメンタルケアに必要な薬物が後述の東金との繋がりを持っている可能性があるというのも興味深いところです。



鹿矛囲の命が多くの臓器提供者と医師の献身的な治療によって与えられたものだと仮定するならば、その尽力を無に帰そうとするシビュラは悪でしかなく、それが彼の計画実行の動機となっていた場合には、非常に人間臭く、理解できそうな感情です。

シビュラという無感情な機械的システムへの対抗意識を物語を展開する上で設定しようとした際、哲学的に人間とは何かを問うことはすでに槙島がしているので、「2」では人間臭い「情」に訴える動機の方向性で攻めてくる可能性は十分にありました。

槙島が理解し難い悪役という側面があったので、鹿矛囲はよりわかり易く、2時間ドラマ的な根っからの悪人ではない犯人である必要性もあるのではないか?  というね。

彼が個人的な恨みではなく、多くの人の想いを背負った命を宿しているとするならば、鹿矛囲というキャラクター
の厚みを増し、その行動の正当性を担保する効果もあるでしょう。

そのあたりが次週の枡㟢葉平の聴取で語られると思うと、期待感がハンパないですね。



そしてそれが公安に知られることになってしまうことも、すでに鹿矛囲は織り込み済み。
ということは、彼の計画はすでに止めることが出来ないくらいの進捗状況であるということです。

計画の詳細は不明ですが、それが一般市民をどの程度巻き込んでしまうのか? それとも人的被害を最小限にシビュラ社会そのものを崩壊寸前まで追い込むのか? 見所は多いでしょうね。






ストーリーのメインとなる鹿矛囲事件葉もちろんですが、東金の動きと彼の経歴も非常に気になることです。

その東金の話題に移りたいのですが、その前に狡噛の登場(但し妄想)ですよ!

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Aパート冒頭の朱ちゃんの脳内会議は演出的に非常に面白い。
ようやく妄想とはいえ狡噛が登場したことに歓喜したファンも多いのではないでしょうか?

やはり煙草の煙や匂いが狡噛をイメージさせる小道具として使われているわけですが、その脳内会議での朱ちゃんと狡噛の距離感というか背中合わせの立ち位置が師弟関係のようでいいですよね。決して恋愛関係ではないよという。

そして狡噛の台詞に被る東金の台詞。
何だか一気に現実に引き戻されてしまったわけですが、相変わらず狡噛とダブらせてきますね。



さてその本題の東金の経歴。

元セラピストというだけでは説明できないくらいに、新人執行官であるはずの東金が妙に手練の刑事のごとき言動が多いことに疑問を抱いていたのですが、なるほど彼は返り咲きの執行官だったわけだ。

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彼の経歴を見ると誕生年は2073年。物語の舞台は2114年なので、一見すると若いように見えた東金だが、その年齢は41歳となる。(ならばCV:藤原“ヒロシ”啓治も納得)

しかも彼はその手で闇落ちした監視官を5人も執行しており、それが理由なのか経歴が局長権限で閲覧できなくなっている。


以前、禾生局長からの口からも「シビュラ史上最高値の犯罪係数をマークした人物」とう説明があったが、その犯罪係数は769。

500以上とは予測していたが、まさかここまで高いとは。
(1期の時点の最高値は王陵璃華子の犯罪係数472)



そこまで犯罪係数が高い彼が、何故執行されなかったのかという疑問についてもこの経歴からでとりあえず納得。

10歳の東金がこの数値を叩き出したのが2083年とあるが、公式のクロニクル(年表)によると、犯罪係数による潜在犯認定が施行されるのは2091年。つまりドミネーターによる執行が行われるようになるずっと前なのだ。

制度がないのだから当然執行されているわけもなく、潜在犯認定が施行された時には、更正施設でのメンタルケアの甲斐があったのか、300以下に落ち着いていたのだろう。

そして彼が執行官として最初に配属されたのは2096年。
(この年はくしくも 縢が5歳で潜在犯認定を受けてしまった年)

2099年に5人目の監視官を執行後、執行官を免職している。



話は前後するが、すでに征陸のとっつぁんは2093年に執行官として配属されているが、狡噛、宜野座(加えて青柳)が監視官として配属されるのは2104年なので、経歴が閲覧不可になっている東金が元執行官であるということを知る人物は今の公安にはいないということだ。

こうなると、征陸のとっつぁんと東金の当時の絡みも気になるところだが、それはスピンオフに期待かな。

もしくは、東金が直接的に朱ちゃんにちょっかいを出すようなことがあれば、きっと宜野座が朱ちゃんを守るだろ
うし、その時に東金が「そういうところは征陸さんにそっくりですよね、本当。」とか言ってくれると胸熱なんだけど。

まぁ、これは余談ね。




さてここからは東金に対しての考察。
毎度のことではあるが、私の勝手な妄想だということはご理解いただきたい。


一度免職させられた東金が、再び執行官に復帰したというのは、彼の現在の仕事ぶりから推察するに執行官として有能ということもあるだろうが、彼の担当執行官が次々に闇落ちしてしまったという事実から、色相をクリアに保ち続ける朱ちゃんに対しての実験、つまり当て馬というのがシビュラの目的だろう。


第5話の禾生局長のシビュラメンバーとの対話で「しかしどんなに責められても私には責任の取りようがない。過去を覆すことなんてできないのだから。生まれてしまったものはせいぜい活用しましょう。われわれの進化のために。それに気にならない?彼女があれにどんな影響を受けるのか。」という台詞がありましが、この時の禾生局長の中身が東金の母親なんじゃないかとも予測しています。

これは第6話で美佳が侵入した東金の自室のデスク上に、意味ありげに母親と思しき人物と幼少期の東金(おそらく10歳前後当時)の写真があったことから、この母親の存在も伏線と考えられることと、そう考えると第5話でのこの禾生局長の台詞の意味合いも合点がいくと思うのです。


また、免罪体質者の息子が過去最高値をはじき出した潜在犯であり、その色相の濁りがシビュラが最も健全と判断したはずの監視官の色相に悪影響を及ぼすという図式があったとすると、シビュラからすれば朱ちゃんと同様に東金も観察対象になっていても何ら不思議ではない。

限りなく白に近い色相を持つ者と、限りなく黒に近い色相を持つ者をぶつけるという構図は、OPの白と黒の朱ちゃんが向かい合っているビジュアルとのつながりも連想させてくれます。
(設定上では純白と漆黒の色相は存在しないとされていますがね。)


当然、東金の「担当監察官の色相を濁らせる」という不名誉な能力は本人も自覚しているだろうし、むしろシビュ
ラの神託の元に堕天使となってしまった監察官を公開処刑できることを楽しんでいる節もあるのかもしれない。

そう考えれば東金が朱ちゃんをマークし、その犯罪係数を克明に記録しているのも、彼女を公開処刑できるチャンスを心待ちにしているという歪んだ快楽の追求の一環なのかもしれないという推測ができる。

まぁ、変態であることには違いないのですがね。



さらに現段階で東金が潜在犯認定で済んでいるということから、その犯罪係数は300以下にキープできているとも予測できる。

これを可能にしているのが更正施設の成果なのか、彼のセラピストしてのセルフコントロールなのか、はたまた東金財団から提供されるメンタルケアサプリの効果なのかは謎ではあるが、少なくとも彼が執行官としての職務についていられる程度のメンタルケアを施している可能性は十分にあるでしょう。


このメンタルケアサプリという点において、美佳が注目しているように、鹿矛囲と東金の接点があるのかもしれな
いのだが、直接的な接点とは考え難い。もし関係性があったとしても、東金のメンタルケアの方が時代的にはずっと前のことになるしね。

ただ、前述のようにシビュラの構成メンバーに東金の母親が組み込まれているのだとすれば、免罪体質者の子が史上最高値の潜在犯という点に着目し、観察対象である東金を正規の手続きの都合上で生かしておくためにメンタルケアを積極的に施しているという事はあり得ない話ではない。

東金を執行官として配属する上で、彼の犯罪係数が300を越えていれば他の公安刑事に執行されてしまう危険性があるからだ。


しかし、この行為はシビュラ自身が自ら定めたルールに縛られ、それを歪めて解釈しているということになり、7
話で朱ちゃんが局長に詰め寄った際に発した「シビュラの自己の否定」に繋がる愚行だ。

これは鹿矛囲が行っている色相浄化のチートとやっている事は同じなのだが、他人にされるとムカつくが、自分がやるにはOKという感情論となり、結局はシビュラの正当性は揺らぐだろう。

そういった意味でもシビュラは鹿矛囲を生かしておけないのかもしれないし、鹿矛囲もシビュラが東金に対して行っている不正にもメンタルケアサプリのルートから気づき、それと同じ事をしてシビュラを追い込もうとしているのかもしれない。

あくまで妄想ですけどね、相変わらず。




7話の台詞には解説的な台詞も多かったので、そういった部分は文字起こしして上げる予定です。



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PSYCHO-PASS サイコパス2 6話 感想・考察【あそこで撃てないのが常守朱】 [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS サイコパス2 第6話 「石を擲つ人々」の感想です。



前回で自分が予想していたよりも、随分とテンポ良く展開してしまった6話。
もう少しじっくりと朱ちゃんを追い込んでからかと思いきや、あっさりと鹿矛囲とご対面と相成ってしまいました。

ただ、「2」が11話構成ということと、エンタメ的な展開を考えれば、ここで三係を半壊させ、鹿矛囲と朱ちゃんが対峙するのは仕方ないかもしれませんね。

とはいえ、実銃を握り鹿矛囲を追ったにもかかわらず、やっぱり撃つことが出来なかったというオチは、彼女の正義感・倫理観が1期からブレていないことを確認するうえでは重要な話だったと思います。

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さて、今回の話では、鹿矛囲がしようとしていることがまた少しわかってきました。
5話まで彼がシビュラを裁こうとしていることはわかってきましたが、その具体的な犯罪シナリオまでは予想しがたいものがありました。

朱ちゃんや雑賀先生が推察したところでは、鹿矛囲はドミネーターを回収しているようです。
今回の感想・考察はそのドミネーターについて考えてみました。



ドミネーターはシビュラ管理下における法の執行を行う銃なので、これを公安から取り上げるというのは、云わばシビュラの牙を抜き取る屈辱的な行為。シビュラの正当性に対しての疑念を猛烈にアピールし、そのドミネーターで公安刑事を裁いているのですから、鹿矛囲のシビュラシステムに対する尋常ならざる嫌悪や憎悪を感じますね。

それを演出するためには鹿矛囲にドミネーターを握らせる必要があり、それ故に酒々井のIDを剥奪出来ずにいるというのはシビュラのドミネーター管理の緩さという、設定上のマイナスポイントを生んでしまっているかのように見えます。


我々の常識で考えれば、酒々井が失踪した時点でドミネーターは起動できないようにすべきで、待機モードのままGPSで追っていけば済むこと。また、ドミネーターと登録監視官が紐付けされていないというのも変な気もします。

1期の最終話では狡噛が朱ちゃんのドミネーターを使用していましたが、あれはシビュラとの交渉でパラライザーモードに固定させていたために出来た芸当。

パラライザーで起動しているということは認証もクリアしていることになるので逃亡執行官である狡噛でも使用することが出来たわけです。実際には撃たなかったですけど、サイト内に槙島を捉えても執行モードのままでしたからね。

現場で臨機応変に対応するためには、状況に応じて行動不可能になったメンバーのドミネーターを回収し使用することは十分に考えられるので、監視官権限ではそれが可能だとすれば納得がいきますが、ドミネーターの使用を外部から阻止するキルスイッチみたいなものが全くないというのはセキュリティー上問題があるように思えますね。


ただ、これをドミネーターを人間が使う武器としてではなく、その本来の目的という視点から考えると、実はそんなに問題じゃなかったりするんですよね。

潜在犯であっても登録執行官であればドミネーターを使用できるわけで、犯罪係数が高い人間がドミネーターを使用すること自体は全く問題にしていないんですよね、元々。

使用者がどんな人物で正しいか正しくないかではなく、銃が人を裁くというシステムですから、極端な話誰が引き金を引くかはどうでもいい。


それであるならば、公安ドローンに搭載されているドミネーターだけでことは済むのに、なぜ公安刑事かが存在しているのか? これは1期で禾生局長が宜野座に向けても発していましたよね。

これって結局は、シビュラという得体の知れないコンピューターに人間の尊厳が奪われる恐怖を緩和させるためだけのオブラート的な役割でしかなく、人が執行しているという状況が欲しいだけ。

シビュラ管理下にある市民の精神面への配慮と言えば聞こえはいいですが、巧妙なカモフラージュです。


シビュラ社会おいて不必要な人間を排除するという本来の目的を遂行できるならば、使用者の人格は問わないわけですから、自らドミネーターを握ろうとするものであれば、シビュラにとってはウェルカムな人材ということになります。

そうなると、失踪監視官である酒々井がドミネーターを使用することに何か問題があるかというと、実はない。
同じく酒々井に偽装した鹿矛囲によって潜在犯が駆除されたとしても、シビュラの思惑的には何にも問題はないのです。



我々の社会の常識からすれば、酒々井の登録を抹消しなくてはならないように思えてしまうのですが、このようにドミネーター側から見ると考え方が180度異なってしまうんですよね。

ネットの書き込みやニコニコのコメントを見ているとドミネーターの運用に関する設定がガバガバという意見も多いようですね。実は自分もそう思っていたのですが、こうやって改めて考えてみると、ちゃんとしているんですよねぇ。

むしろガバガバだと感じるのは正常で、その我々の認識が通用しない世界での「善悪のあり方」を問いているのがサイコパスのドラマですから、その違和感を抱えたまま楽しむのが正解だと思いますね。



だとするならば、鹿矛囲がドミネーターを奪った目的は何かと考えれば、まず一つはシビュラの判断が人間のそれとは全く異なるということの証明をするためだよね。

軍事ドローンをハッキングしてゲームを介して一般人にコントロールさせ殺人を行わせる。それを止めるにはプレーヤー自らがゲームを停止させるしかない状況を作り、公安にホロを外させ、サイコハザードを引き起こす。

状況的にはプレーヤーは被害者だが、色相が濁ったことで潜在犯になってしまえば、今度は彼らがシビュラの裁きを受けることになる。

しかし明確な悪意をもって行動している主犯・鹿矛囲を裁く方法がなく、しかもその相手もドミネーターを向けてくる。それで鹿矛囲が向けたドミネーターに自分が撃たれたら、自分が犯罪者。

どちらが正しいかといえば、シビュラ的には鹿矛囲のほうが正しいということになるのだが、それは明らかにおかしい。


それでも手にした実銃を撃てなかった朱ちゃんは、あの世界での正義というものも理解し尊重しているわけだよね。それが、「守るに値しない法」であったとしてもね。

鹿矛囲が言い残した「君に裁きを見届けてほしい。」という言葉。
やはり彼の目的はシビュラへの裁きなんだね。

そしてそれを朱ちゃんへの問いかけにもしているわけだから、「2」はまさに朱ちゃんのための物語ということですね。



しかし朱ちゃんモテモテだよね。
東金にも好かれちゃってるみたいだし。

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「この状況で何て美しい…。だからこそ黒く染めてやりたい。」

う~ん、先週には一瞬、鹿矛囲との接点を疑ったけど、やっぱりシビュラサイドの刺客だよなぁ、東金は。


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PSYCHO-PASS サイコパス2 5話 感想・考察【鹿矛囲と槙島の違いが出て来たね】 [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS サイコパス2 第5話「禁じられない遊び」


まさに鹿矛囲のターンといった感じの第5話。
徐々にその目的に迫るディテールも浮き彫りになってきて、考察にも熱が入りますね。

第4話で朱ちゃんが推理していたように、おそらくターゲットにされているのは公安の監視官。
ターゲットが明確ということは、それだけ鹿矛囲は公安に対して憎悪を持っているということになります。

その憎悪の根源となる出来事に関しては、ゆくゆく説明がなされることになるでしょうが、鹿矛囲が使っていた女性のホロのモデルである女の子が命を失った飛行機事故に関連している可能性は十分にありそうです。OPにも飛行機のシルエットが登場していますからね。


そのOP映像、毎回異なって入るって気が付いていました?

さすがに目敏いサイコパスファンならすでに解析済みだとは思いますが、1話と今回の5話ではかなりの差となって現れています。追加されていたり、一部差し替えられていたりと変化は大きく、その手間の掛け方からしても、何らかの伏線となっていることは間違いありません。

毎回見逃さないように、くれぐれもスキップなどなされぬよう。



さて、今回雑賀先生と朱ちゃんの会話で、

雑賀「思い出しているのか?槙島聖護を。」
朱 「似たような不気味さは感じているのかもしれません。
   でも何かが決定的に違う。」
雑賀「その何かが分かれば鹿矛囲の正体に大きく近づけるんだろうな。」

こんなやり取りがあったので、鹿矛囲と槙島の違いについてこちらも考えてみました。

pp2_05-01.jpg



行動だけを見ると、どちらも「社会への挑戦」みたいな革命家的な思想に基づいていそうなテロ行為ですが、その規範となる主犯の社会やそこに住まう人間を見る目というのはかなり違うようですね。

鹿矛囲が槙島と決定的に違うのは、先述したように明確な憎悪を公安及びシビュラシステムに持っていることでしょう。



槙島はシビュラの世の中を斜に構えて第三者的に達観視しているいるところがあり、基本的にあの社会に希望を持ってはいなかった。

かといって、社会そのものを自分の思うように変えようといった政治犯的思想があるわけでもなく、どちらかといえば哲学的というか宗教的にいうか、そういった目線で人間本来の尊厳が失われていることに気が付かない市民に対しての「哀れみ」みたいなものが行動規範にはあったような気がする。

また、槙島にはその視点にシニカルなユーモアがあった。
彼は読書家で、本編でも様々な書籍からの引用を織り交ぜてその真意を語っていた。

シビュラの世界を理想郷のパロディと評し、その危うい平穏の脆弱性を剥き出しにすることを目的としていた。これは手品の種明かしを目敏い客がするようなもので、槙島にしてみたらその行為は無邪気な探究心の結果でしかなかったのではないだろうか?

悪意のない悪行というのは最も厄介だが、そう考えれば彼が免罪体質者である意味にも納得がいく。


もしかすると槙島にしてみたら、シビュラという神に縛られてた民衆を解放する、ある種の宗教戦争的な意味合いがあったのかもしれない。もちろんこれもユーモアとしてね。



それに対して鹿矛囲は、対話の相手が市民ではない。
明らかに公安及びシビュラに対して憎悪を抱き、復讐をしようとしている。

「WC?」というメッセージを、当初私は、色相判定の出来ない鹿矛囲が社会へ問いかけている、孤独感から来る叫びのように感じ取っていたのだが、今となってはこれはシビュラに対しての挑戦状でしかない。

「お前の色は何色だ!」のお前というのシビュラシステムそのものであり、善と悪を決定しているシビュラ自体の善悪を鹿矛囲は問いているのだろう。

まぁ、これはシビュラは悪だと言っているわけで、それが証拠にメッセージが書かれている場所で起きた出来事は、善悪が正しく裁かれた結果ではないことばかりだ。

第5話のアバンで鹿矛囲は「シビュラよ。お前を裁くまであともう少しだ。」といっているが、彼がシビュラの正体を知っているはずはないので、シビュラを裁くことが本来の目的であるとしても、その裁きの対象が法の執行人である公安に向かうというのは何にも不思議ではない。

しかし、鹿矛囲は常守朱個人を認識している。
これは偶然なのか?

彼女自身がターゲットである可能性も否定できないが、第2話の最後に鹿矛囲が「常守朱。君なら分かると期待したのに…。」と言っていることから、彼女の自宅にメッセージを残したのも、鹿矛囲が常守朱を買っていたという意味だろう。その期待の反作用として朱ちゃんを狙ってくるというのは理解できなくもないが、そもそものターゲットが朱ちゃんとは考え難い。

朱宅に残した「WC?」は、朱がシビュラの正当性をどう捉えているかという意味での彼女への問いであると考えられるので、鹿矛囲が朱ちゃんが特別な存在であることに勘付いているか、もしくは以前から常守朱を知っていた人物という可能性もある。


ここで接点となりそうなのが鹿矛囲が1話で纏っていたホロのモデル・染水 槇という飛行機事故で亡くなった少女の存在。しかし、朱自身は彼女を知っていなかったわけなので、今のところ可能性は薄い。

が、何せその事故が起きた当時、朱ちゃんは7歳。記憶が曖昧であってもおかしくはないというのは、都合よすぎる期待だろうか?

何にしても、鹿矛囲がシビュラ及び公安局への憎悪を抱きたきっかけと、朱を何時どのように認識したのかという幾つかの接点が描かれるまで待つしかないが、これを知る頃には物語はクライマックスだろう。






ではこれからの鹿矛囲はどのような行動に打って出るだろうか?
ここからは妄想です。


酒々井の眼を手に入れ、ドミネーターを撃てるようになった鹿矛囲。
これで彼は自らの手で犯罪者、つまり公安局員、とくに監察官を裁こうとしているのだろう。

しかし、おそらく酒々井として認識されているであろうから、朱ちゃんが推理したように鹿矛囲に懐柔されているという証拠が出た時点で、ドミネーターとシビュラとの通信は公安側に切られてしまうだろう。

しかし鹿矛囲という人物はシビュラに認定されておらず、その存在は未だ朱ちゃんの推測の範囲を出ていない。

サイマティックスキャンに認識されなくても、公安に目視されてしまえば、その存在を証明してしまうことになるので、鹿矛囲がそのドミネーターの引き金を引くその瞬間まで、彼は公安の、とくに朱ちゃんの目の前には姿を現さないはずだ。


逆に、鹿矛囲の姿を見た公安刑事は、死ぬことになるという意味でもある。
その裁きの行為が成立するためには、刑事側の犯罪係数が300オーバーである必要がある。

その準備として、まずは公安刑事達の色相を徹底的に濁らせる。
潜在犯である執行官は容易だろうが、監視官は元がクリアカラーだけに綿密な下準備が必要となる。
トドメにに自らがその本人の前に立ち、主犯であるという事実を明かす。

当然、対峙した刑事は鹿矛囲自身に憎悪を向け、ドミネーターを構えるが当然彼には反応せず返り討ちにあう。
そして、この事件そのものも、他の公安の刑事達の色相を濁らせる役目もある。

ここで実銃を使わずドミネーターを使うとうところが、鹿矛囲の唯一といってもいいシニカルなユーモアではあるが、茶目っ気というよりは明らかな悪意に満ちている。シビュラの善悪の判断のさらに上に立つ優位性を誇示しているといってもいいだろう。

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もし次にお亡くなりになるとしたら、青柳さんを撃ってしまった執行官・須郷か、職務中にゲーム「ハングリーチキン!」をしていたせいで鹿矛囲の作戦にまんまと乗ってしまった三係の監察官・錫木が怪しいところ。

しばらくは鹿矛囲のターンが続きそうだ。




東金のことも気になりますが、そはまた次回。



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PSYCHO-PASS サイコパス2 4話 感想・考察【青柳さん…。2係壊滅状態や】 [PSYCHO-PASS サイコパス]

PSYCHO-PASS2 第4話 「ヨブの救済」の感想です。


やっぱりというか、予想の斜め上を行く青柳さんの末路。
だから、「1」ではサブキャラだ貴方が、急に自分語りなんてするから……。

最近はフラグ回避をする作品も多く、こんなベタなフラグなんてヒョイと躱してくれるなんて思っていたのが大間違い。

最期の「人と法を守るために私はお前を…!」という言葉は、紛れもない彼女の本意だったはずで、それなのに彼女の犯罪係数は343.7をマークし執行対象となってしまった。
まったく皮肉でしかない。



犯罪係数が改竄などで正確に測定できない犯罪者が、周囲の市民を巻き込みエリアストレスが上昇するというのは、「1」で槙島がばら撒いたヘルメットによって起きた暴動とよく似ているので、それ自体にはインパクトはないのですが、犯人が認識されない・捕まらないことではなく、周囲の何の悪意のない人間が法律上の犯罪認定を受けドミネーターに裁かれるという、悪夢のような状況に追い込んでいったのは、「正義とは何か?」をテーマにしているサイコパスの世界の問いかけとしては、あまりにも単純でわかり易い。

ただ映像的なインパクトだけを狙っているわけではないとわかっていても、正直観ていて辛くなります。
シビュラの神託はこれくらいガバガバだと、ハッキリ表現するのには悪くないとは思いますが……。

虚淵さんの言っていた「2は端から見てる俺でも引くぐらいエグい」の意味はこれか?
視聴者の心を痛めつけるよね、これは。



ユーストレス欠乏症の存在の認知を恐れ事件そのものを隠蔽、ついでに新兵装強襲型ドミネーターのテストもしてしまう、シビュラの姑息さには苛立ちを感じますが(明らかに突入が遅いもんなぁ)、とはいえ、王陵璃華子の父・牢一も患い、彼をしに至らしめたユーストレス欠乏症をうまい具合に実行犯の犯行動機に組み合わせたのは感心しました。

既存の設定を組み合わせ、そこにさらに厚みを付けていく匠さは、おそらくシリーズ構成の冲方さんのアイデアなんだろうと思います。

『攻殻機動隊ARISE』でも既存の設定を注意深く観察・理解して、そこから物語を作っているような印象もあったし、その既存設定の深い理解が、新しい物語をその世界観の枠に留めておく命綱みたいな役割を果たしているとも感じました。

その冲方さんの特技みたいなものが、サイコパス2でどのように披露されるのか期待していたわけですが、期待通り細かいところでもキッチリ仕事なさってます。

ただ、ユーストレス欠乏症(ユーストレス欠乏性脳梗塞)は「王陵璃華子事件」に出てきたので、新編集版をTVでしか観ていない人にとっては馴染みがないかもしれないのは誤算だったとは思いますが。



また、今回の霜月美佳の無能っぷりには、多くの視聴者は胸がすく思いをしたことでしょう。
アレだけ朱ちゃんに高圧的な態度を取っておきながら、いざ緊急事態となったら己の保身が第一かよ!

彼女はもう、友達を救えなかったことを悔やんではいないのだろうか?
何のために未成年で執行官になったんだ?

今までの彼女の「嫌な女」加減にはイラついていたし、その鼻がへし折られたことにはスッキリなのですが、美佳には重い過去があるわけで、それに対しての贖罪みたいな気持ちはどこかで持ち続けていて欲しいと思うし、それゆえのあの態度だったと思いたいんだけどなぁ。

このへタレてしまった彼女の内面というのも気になるところだが、このままいくと美佳の色相も濁ってしまいそうな予感がする。
キャリアに固執した監視官は軒並み闇落ちしちゃってるからね。

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その一方で六合塚の3係への一喝と美佳への苛立ち。
彼女は言葉数が少なくて、なかなかキャラがわかりにくいのですが、ああいう台詞を聞くと、ちゃんと自分で考えて行動している人だということがわかって安心できますね。

そして律儀にも朱の命令に従い、あの惨劇の最中も「怪しいホロをまとった人物」を探し続ける雛河。
コミュ障の彼も掴みどころがわかり難い人物ではありますが、前回のホロ解析といい、意外と仕事には真面目に取り組むタイプであるようですね。




今回気になったのは、現場を後にする鹿矛囲の横顔にあった傷。
これも彼の過去の出来事に関わる重要なポイントだと思うのだが、さすがにコレは予測不可能だ。

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例の飛行機事故に絡んでる? 
現状では、これ位しか材料がない。


槙島との差別化をどう図るかというのが、鹿矛囲に背負わされた十字架なのだが、この十字架はとてつもなく重たいらしく、今のところ彼のオリジナリティを殆ど感じないのは残念なところ。

今回のサブタイトルが「ヨブの救済」となっているが、鹿矛囲の働きによってシビュラという神への信仰を試された人々は、皆、その神の逆鱗に触れてしまったようだ。

ヨブ記に準えるなら、鹿矛囲はサタンということになるが、この槙島という十字架を背負った悪魔は、ただの悪人で終わってしまうのか、それとも槙島のような愛すべきキャラに成長できるのか? 楽しみだ。


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