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PSYCHO-PASS サイコパス2 8話 感想・考察【霜月美佳終了へのカウントダウン開始】 [PSYCHO-PASS サイコパス]

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PSYCHO-PASS サイコパス2  第8話 「巫女の懐胎<AA>」の感想です。


鹿矛囲の目的とその動機となる飛行機事故の背景が枡嵜医師によって語られ、また一方で東金の背後にある東金財団を単独で追っていた霜月美佳がまんまとエサに喰いついてしまいました。

鹿矛囲の事件と東金がどう繋がるのかという疑問もこれで糸口が説明され、後は東金朔夜を使ってシビュラが何をしようとしているのかという、朱ちゃんを中心に置いた物語の終焉に結びつけるのかが見物です。

霜月美佳は次週で精神崩壊してしまうでしょうし、黒幕の手駒である東金朔夜も朱ちゃんと対峙する中でお亡くなりになるでしょうね。その朱ちゃんを守ろうとして雛河も盾となって死亡すると思われます。

身も蓋もない言い方ですが、劇場版が先んじて進行している状況での「2」の製作決定でしたから、美佳はともかく、「2」のキャラクターは最終話までに一掃されてしまうはずです。


・・・・・・などと思っていたら、劇場版の予告に美佳の姿が! どうやらこのピンチを切り抜けるようですね。


ただ東金が雑賀先生を厄介者認定しているのが気になるところではあります。

pp2_08-1.jpg

雑賀先生も劇場版に登場するようなので、命まで取られることはないにしても、確かに敵には回したくない人物ではあるもんなぁ。

朱ちゃん、雑賀先生を守ってあげてね。





さて、今回個人的に面白いと思ったポイントは、鹿矛囲という特異体質を生み出すきっかけとなった飛行機事故と彼に施された手術の特許技術を編み出した東金の母・東金美沙子についての設定ですね。

鹿矛囲が脳までも飛行機事故被害者184人分を繋ぎ合せた、フランケンシュタインのごとき肉体を持つというのも驚きなのですが、これは前回までの話である程度予測できた範疇。

それよりも飛行機事故がどうして起きたのかのほうが彼の動機としては強いのではないかと思っていました。サイマティックスキャンに認知されないという孤立感だけが動機というのでは、革命家として視野が狭すぎますからね。

飛行機事故は、おそらく人為的な、それも個人ではなく社会システム的な問題で起きたのだろうと想像出来ましたが、これは設定的な領分に入ってしまうため、物語の前提を考えることになり非常に難しい。

このあたりがサイコパスの世界の面白さではあり、難解なところです。


また、鹿矛囲に施された手術に使用された医療技術特許が東金と繋がることも前回まででわかってはいましたが、それがシビュラシステム構築と施行という、この物語の舞台装置そのものに絡んでくるとは「良く考えているな」とただただ歓心。

公式年表とにらめっこしながら、この世界の成り立ちやそこに起こるであろう政治家・官僚・財界の利権争いを細かに考察していった冲方さんの姿が眼に浮かびます。

加えて、それらが「1」で槙島がシビュラシステムへの皮肉に引用した「パノプティコン」と「【ガリバー旅行記】バ
ルニバービの医者」に準えているのが最高!


物語では飛行機事故の原因となる交通機関トラブルを引き起こした経済省発案の「パノプティコン」は、雑賀先生の説明どおり「ジェレミー・ベンサムが収容所の建築形態として構築した全事象展望監視システムの名称」なのですが、この「パノプティコン」の引用は、「1」で逃亡執行官となった狡噛が雑賀先生の自宅に立ち寄った際、槙島を分析する際に引用されます。

pp2_08-2.jpg

正確には槙島の引用ではなく、狡噛が想像する槙島が語った引用ですが、この後狡噛が槙島のバイオテロに気がつくことを考えれば、この引用は槙島自身の言葉と捉えてもいいでしょう。


そして鹿矛囲に施された手術に使用された東金美沙子の有する医療特許技術に「生きたまま脳を摘出する技術」と「摘出した脳をつなぎ合わせる技術」がありましたが、これはまさにシビュラシステム構築において不可欠な技術。

槙島はこの技術を知った時にガリバー旅行記の「バルニバービの医者」を引き合いに出して皮肉っています。

pp2_08-3.jpg

そして先述の雑賀先生宅を訪れた狡噛も槙島の分析の中で、「もしかするとガリバー旅行記あたりも引用するかもしれない」と語っていました。


こうした「1」で槙島が皮肉として引用した事柄が、「2」では具体的な事例となって物語に登場するというのは、かなりわかり易く優秀な仕掛けです。さすがです、冲方さん!!

今回はこの「1」と「2」の繋がりが見えただけでもう十分でした。
逆に槙島の魅力が増している気もするし。




さて、今回新事実として分ったことを設定の年表とすり合わせてみましょう。

その東金美沙子の有する医療特許技術についてですが、特許が公開された2091年というのはシビュラシステムが安定期に入る年であり、この後2100年に「犯罪係数による潜在犯認定制度」が施行されます。

シビュラシステムそのものが施行されたのは2081年ですが、元々シビュラシステムはサイコパス測定を使った国民の就業斡旋システムであり、それ以外にも応用する目的で「包括的生涯福祉支援システム」として施行されています。

施行された時点では「法の裁き」の権限を持っていなかったのですが、2100年の「犯罪係数による潜在犯認定制度」が施行されたことで、法の番人としての役割が追加されることになります。

このシビュラシステムの運用拡大に技術的に貢献したのが東金美沙子であり、彼女の医療特許無くしては「犯罪係数による潜在犯認定制度」は実用に至らなかった可能性は大きいでしょう。



そしてその対抗馬であった経済省発案の「パノプティコン」は、交通分野での試験運用中にトラブルが多発。この時期を「地獄の季節」と称し、このトラブルの中に鹿矛囲と児童184人の乗った飛行機の事故があった。

シビュラシステムと「パノプティコン」の競合の最中、鹿矛囲が言うような陰謀論があったのかは定かではないし、それが事実だった場合、そこに東金財団が自身に使われた医療特許技術以外の政治的分野で全く無関係ということもないのであろう。

飛行機事故被害者184人分の命を背負った鹿矛囲が、その後シビュラシステムが統治する世界から機械的にも対人的にも阻害されてしまったというのは、彼が社会を恨む動機としては何となくは理解できる。

ここで重要なのは被害者184人分の命を背負い、その184人にこだわる鹿矛囲の姿であり、彼を単なる復習鬼にして欲しくないと切に思う。



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只今熟読中。こちらの感想もそのうち書きます。




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