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残響のテロル 最終回 感想【時代設定が問題だよね】 [感想・レビュー]

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残響のテロルの最終話、 第11話「VON」の感想です。


実のところ、かなり予想の範疇で終わってしまってビックリ。
9、10話の感想で書いていた考察どおりで、感想を先に書いちゃっった感じ。

⇒ 10話 感想
⇒ 9話 感想


柴崎さんか、米軍が高高度核爆発を起こさせないという願望は叶わなかったものの、ああいう形で今更のように米軍が介入してくるとは思わなかったな。

身内の恥の証拠隠滅にしては行動がおおっぴら過ぎる気がするんだけどね。
ナインを捕捉したらスナイパーだけでいいと思うんだけど?

まぁ、あれは画面栄えを意識しての演出なんでしょうね。
自衛隊のF-15に必要以上に力が入っていたのと同じかな?



さて、ざっと作品を振り返ってみますが、このお話はアニメよりも実写映画の方がよかったのでは?
加えて時代設定も1960~70年代、遅くても80年代バブル初期くらい(つまり昭和ね)にしないと、戦後日本からの脱却の影にあった悲劇って分り難いんじゃないかな?

現代を舞台にするなら、国家安全保障問題を扱うといいと思うのだが、それだといろいろタイムリーすぎて横槍も入りそうだしね。


私は40代なので、アテネ計画を企てた人々の敗戦国日本が持ち続けた「戦後」という負のキーワードを何度も耳にし、そこに物凄いコンプレックスとその反作用としてのエネルギーがあったことを辛うじて知っている世代。

ですから、この作品の設定上の暗部も理解はできるんです。


でも、これを今の10代~20代前半の若者達に、アニメという表現方法で見せても、あまり響かないと思うのですよ。
「戦後」って共通認識が今の若者にあるはずがないからね。

アテネ計画が6~7年前まで実行されていたとすると、それでも戦後60年以上経っているわけで、世は平成ですよ。
そんな影でコソコソしなくたって、日本は十分戦後復興をしたし、「もはや戦後ではない」というスローガンすら風化しているわけです。
そうなると、すでにその設定すら滑稽に思えてしまいません?



私が『残響のテロル』を観ている間に、頭の中に対比として浮かんでいたのは、映画の『太陽を盗んだ男』と1年位前に特番でテレビドラマ化もされた小説『オリンピックの身代金』。

これらの作品がどんなものかはWikiでも見てもらうとして、やはりこの時代設定でしか作れない・観客の共感が得られないドラマってあると思うのです。ある意味、時代劇的なフォーマットにもなりつつあるんですよ、戦後日本の復興って。



ですから、もしこの作品に今更のようにケチを付けるのであれば、舞台の時代設定を間違えているってところなんですよね。



そしてさらに、ナインとツエルブを主人公にしちゃったってことが間違いだよね。


基本的にこのアニメの主人公は柴崎さんだよ。

柴崎さんが何を見て、何を感じたか、そして犯人は何を思っていたのか? 
これは全部柴崎さんが語り部となって我々に伝えられる方がいい。

そもそも、ナインとツエルブのカタルシスは、本人達が柴崎さんに任せちゃってるわけだからさ。


そこに柴崎親子の変化が重なって、みたいな、そんな刑事ドラマとして描かれるべきだったのではないかと。

teror_11.jpg

そんなドラマなら、柴崎さんはもっと古いタイプの男であり父親であった方がいいじゃない?
だから、時代設定も昭和の方がいいと思うんだよね。

確かに、動画サイトでの爆破予告とか携帯電話を使った爆弾操作とかはできなくなるけどさ、そういうトリック的なところは逆に人間対人間の騙し合いみたいなほうが、刑事と犯人の対話という意味では、より深い気もするんだけどね。



オッサン刑事が主人公で舞台が昭和の東京なんていうアニメって全くキャッチーじゃないから、そんな企画が通るわけがないと思うのですが、これが映画だったらきっとOKなんだよねぇ~。



そんな思いもあるわけですが、総合的には面白かった。
確かに、当初思っていたよりは小粒な作品になってしまったという思いはあるものの、切り口としてはかなり挑戦的だし、こういう作品が作れる土壌はあって欲しいし、作ってやろうというクリエイターがいて欲しいと思いますね。



あ、これはホントちなみに何ですが、「VON」はアイスランド語で『希望、期待』という意味だそうです。
私は当初、第二次世界大戦中の原子爆弾開発やその後の核政策への関与でも知られる、ジョン・フォン・ノイマン(John von Neumann)からのVONかと思っていましたよ。







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